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フィリピンのクリスマスは9月に始まる

「世界最長のクリスマス」と呼ばれるフィリピン。9月1日から始まるデコレーション競争、ラジオで流れる讃美歌、家族の帰省。アジアで最もクリスマスが長い国の実態。

2026-06-09
クリスマスフィリピン文化カトリック

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フィリピンでは「−berで終まる月が始まればクリスマス」とよく言われる。セプテンバー(9月)、オクトーバー(10月)、ノベンバー(11月)、ディセンバー(12月)——9月1日からラジオでクリスマスソングが流れ始め、街のデコレーションが出始める。

世界的に見て、クリスマスシーズンが最も長い国のひとつとしてフィリピンは頻繁に紹介される。これは単なる誇張ではない。


マニラのショッピングモールでは、9月の時点ですでにツリーが立ち、色とりどりの電飾が飾られる。スーパーにはクリスマス用のハム・クエソ・フルーツケーキが並び、街角では「パロル(Parol)」と呼ばれる星形のランタンが店先に登場する。

パロルは竹と紙(近年はプラスチックや電球を使ったものも多い)で作られる星形のシンボルで、ベツレヘムの星を模している。家の前に飾る習慣があり、毎年「どこより豪華なパロルをつくるか」という非公式な競争が各バランガイで繰り広げられる。


クリスマスシーズンのクライマックスのひとつが「シンバン・ガビ(Simbang Gabi)」だ。12月16日から24日まで、夜明け前(深夜〜早朝4時頃)に行われるミサで、9日間連続で参加すると祈りが叶うという伝統がある。

この時間帯、教会の周りには露店が並び、プトブンボン(米の蒸しケーキ)やビビンカ(バナナの葉で焼いた餅米ケーキ)が売られる。夜明け前の暗い空の下でホカホカのビビンカを食べながら、これが9日間続く。フィリピン人にとって、この体験はクリスマスの記憶の核にある。


12月25日は家族が集まる日だ。OFW(海外出稼ギ労働者)として海外で働いている家族も、可能な限りこの日に合わせて帰国しようとする。フィリピン航空や格安航空会社の12月便が早々に満席になるのはそのためだ。

クリスマスの食卓に並ぶのは、ハム、エスパニョール(スペイン風チキン料理)、レチョン(丸焼き豚)、パンデサル。大家族が囲む食卓は、一年で最もにぎやかな夜になる。


日本人の感覚でフィリピンのクリスマスを見ると、その「量」と「熱量」に圧倒される。商業的なクリスマスとは異なる、宗教的・家族的な意味が色濃く残っているからだろう。4か月続く「ジングルベル」の国で暮らすということは、毎年4か月間、家族と信仰の季節の中にいるということだ。

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