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フィリピンで外国人がコンドミニアムを買う方法——土地は買えないが部屋は買える

フィリピンでは外国人の土地所有は禁止だが、コンドミニアムの区分所有は合法。購入手続き、税金、管理費、資産価値のリスクまで、日本人が知るべき実務を整理。

2026-05-11
コンドミニアム不動産投資マニラBGC

この記事の日本円換算は、1PHP≒2.7円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(PHP)の金額を基準にしてください。

フィリピンの憲法は、外国人の土地所有を禁止している。1987年憲法の第12条第7項に明記された、交渉の余地がないルールだ。

しかしコンドミニアム(分譲マンション)の一室は、外国人でも購入できる。1966年制定のコンドミニアム法(Republic Act No. 4726)により、建物全体の外国人所有比率が40%以下であれば、外国人の区分所有が認められている。

土地は買えない。でも空中に浮かぶ「箱」は買える。これがフィリピンの不動産における外国人の立ち位置だ。

購入可能な物件の条件

外国人が購入できる条件を整理する。

  • コンドミニアムの区分所有: 建物全体の外国人所有比率が40%以下
  • 土地: 購入不可(フィリピン人配偶者名義での購入は可能だが、離婚時のリスクあり)
  • 一戸建て(house & lot): 土地が含まれるため購入不可

つまり、外国人が合法的に所有できるのはコンドミニアムのみ。タウンハウスや一戸建ては、たとえ気に入っても購入できない。

マニラ圏の価格帯

マニラ首都圏(Metro Manila)のコンドミニアム価格は、エリアによって大きく異なる。

エリア1ベッドルーム(25〜35㎡)2ベッドルーム(50〜70㎡)
BGC(ボニファシオ・グローバルシティ)PHP 6M〜12M(約1,620万〜3,240万円)PHP 10M〜20M(約2,700万〜5,400万円)
マカティ(中心部)PHP 5M〜10M(約1,350万〜2,700万円)PHP 8M〜18M(約2,160万〜4,860万円)
オルティガスPHP 3M〜7M(約810万〜1,890万円)PHP 5M〜12M(約1,350万〜3,240万円)
マニラ・ベイ周辺PHP 3M〜8M(約810万〜2,160万円)PHP 6M〜15M(約1,620万〜4,050万円)

BGCとマカティの高級物件は東京の物件と比べても半額〜3分の1程度。ただし、面積あたりの単価は年々上昇しており、2020年代に入ってからの値上がりが目立つ。

購入の流れ

Step 1: 物件選定 デベロッパー(Ayala Land、SM Prime、Megaworld等)の新築か、中古市場の既存物件かを選ぶ。新築はプレセリング(建設前販売)が一般的で、完成までの支払いを分割できるメリットがある。

Step 2: 予約金(Reservation Fee)の支払い 物件を押さえるために、PHP 20,000〜50,000(約54,000〜135,000円)程度の予約金を支払う。

Step 3: 契約書への署名 Contract to Sell(売買予約契約)に署名。購入価格、支払いスケジュール、引き渡し条件を確認する。

Step 4: 支払い 一括払い、銀行ローン、またはデベロッパーへの分割払い(In-house Financing)のいずれか。外国人は現地銀行のローンが利用しにくいため、一括払いかデベロッパーの分割が主流。

Step 5: 引き渡し・登記 完成後(新築の場合)にCondominium Certificate of Title(CCT)が発行される。これが所有権の証明。

税金とコスト

購入時と所有時に発生する主なコストを整理する。

項目金額・料率
Documentary Stamp Tax購入価格の1.5%
Transfer Tax購入価格の0.5〜0.75%(地域による)
Registration Fee購入価格に応じたスライド制
不動産取得税(Capital Gains Tax)売却価格の6%(売り手負担が通例)
固定資産税(Real Property Tax)評価額の1〜2%/年
管理費(Association Dues)PHP 80〜200/㎡/月

BGCの40㎡のユニットの場合、管理費は月PHP 3,200〜8,000(約8,640〜21,600円)程度。これにSinking Fund(修繕積立金)が加わる。

知っておくべきリスク

完成遅延: プレセリング物件はデベロッパーが完成予定日から1〜3年遅れることが珍しくない。供給過剰: BGCとマニラ・ベイ周辺は新築の供給が需要を上回っており、賃貸に出しても空室リスクがある。管理の質: 管理組合の運営能力にばらつきがあり、内覧時に共用部の状態を確認するのが大事だ。出口戦略: 外国人購入比率40%上限があるため、転売時に枠の確認が必要。

投資目的なら賃貸利回り年5〜7%(実質3〜5%)。居住目的なら、マカティで月PHP 25,000の賃貸を10年払うとPHP 3,000,000。同等物件をPHP 5,000,000で購入すれば10年で元が取れる計算にはなる。ただし、フィリピンに10年以上住む確信があるかどうか。ここが判断の分岐点だ。

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