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フィリピンの銀行口座開設ガイド——デジタルバンクとGCashの使い分け

フィリピンでの銀行口座開設方法を整理。GCash・Mayaのデジタルウォレット、デジタルバンク、従来型銀行の違いと外国人が使う際の注意点を解説します。

2026-05-01
銀行口座GCashデジタルバンク

この記事の日本円換算は、1PHP≒2.7円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(PHP)の金額を基準にしてください。

フィリピンの成人の銀行口座保有率は約56%(BSP、2024年)。残りの44%は銀行口座を持たずに生活している。この国では銀行口座がなくても、GCashさえあれば日常の決済はほぼ完結する。

外国人が使える3つの選択肢

フィリピンで資金管理する方法は、大きく3つに分かれる。

種類代表例開設しやすさ機能
デジタルウォレットGCash、Maya高(フィリピンSIMで即日)決済・送金・QR支払い
デジタルバンクTonik、GoTyme、Maya Bank中(アプリ完結だがKYCに時間)預金・送金・高金利貯蓄
従来型銀行BDO、BPI、Metrobank低(支店訪問・書類多い)預金・融資・海外送金・小切手

GCashとMaya——まず入れるべき2つのアプリ

GCashはフィリピン最大のデジタルウォレットで、ユーザー数は9,400万人以上。コンビニ、飲食店、タクシー(Grab)、公共料金、通販——あらゆる場面でQR決済が使える。

外国人がGCashを使うには、フィリピンのSIMカード(GlobeまたはSmart)が必要。アプリをダウンロードして電話番号を登録すれば基本アカウントが作れる。ただし、完全認証(Fully Verified)にはACR-Iカード(外国人登録証)の提出が求められる。完全認証で上限がPHP 500,000に引き上がる。

Maya(旧PayMaya)はGCashの最大の競合。機能はほぼ同じだが、Maya Bankとしての銀行免許を持っている点が異なる。Mayaの預金口座は年利3〜6%の高金利を提供しており、「ウォレット+銀行」の一体型サービスとして使える。外国人の登録にはパスポートとフィリピンの住所が必要。

デジタルバンクの選び方

フィリピン中央銀行(BSP)は2020年以降、複数のデジタルバンクに営業免許を付与した。支店を持たず、アプリだけで口座開設から送金まで完結する。

外国人が比較的開設しやすいのは以下の2つ。

  • Tonik Bank: フィリピン初のデジタル専業銀行。パスポート+フィリピンSIMで開設可能。定期預金(Time Deposit)で年利5〜6%の商品がある
  • GoTyme Bank: Gokongwei財閥とシンガポールのTyme Groupの合弁。Robinsonsモール内のキオスクで口座開設ができ、アプリ操作に不安がある場合も対面サポートを受けられる

従来型銀行で口座を開くには

BDO、BPI、Metrobankなどの大手銀行で外国人が口座を開設するには、以下が一般的に求められる。

  • パスポート(原本)
  • ACR-Iカード(外国人登録証)またはSRRVビザ
  • フィリピン国内の住所証明(公共料金の請求書等)
  • TIN(納税者番号)——銀行によっては必須
  • 初回預入金(PHP 2,000〜25,000程度、銀行・口座種類による)

観光ビザでは口座開設を断られることが多い。長期滞在ビザ(SRRV、13(a)、ワーキングビザ等)を持っていることが実質的な条件になる。

使い分けのパターン

在住日本人の間で多いのは、以下のような組み合わせ。

  1. GCash: 日常のQR決済・個人間送金用
  2. Maya Bank: 中期の資金プール・高金利貯蓄用
  3. BDOまたはBPI: まとまった資金の管理・海外送金用

GCashとMayaは数分で使い始められるのに対し、従来型銀行は書類の準備に1〜2週間かかることがある。到着直後はまずGCashを入れて、ビザと住所が確定してから銀行口座を開設する——という順番が現実的だ。

注意点

GCashもMayaも、送金限度額や口座残高の上限がある。大きな金額を動かす場面(家賃の支払い、不動産の頭金等)では従来型銀行が必要になる。

また、フィリピンの銀行預金保険(PDIC)の保護上限は1金融機関あたりPHP 500,000(約135万円)。複数の銀行に分散して預けることも検討した方がいい。デジタルバンクもPDICの対象だが、金利が高い分、預け先の財務状況は確認しておきたいところ。

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