フィリピンの電気代はアジア最高水準、その理由と節約術
フィリピンの電気料金はASEAN最高水準と言われます。MERALCO(マニラ電力)の仕組み、コンドミニアムの電力事情、節電策を解説します。
この記事の日本円換算は、1PHP≒3.6円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
フィリピンの電気代はアジアの中で高い水準にある。「物価が安い国」というイメージと裏切るように、電気料金だけは日本並みかそれ以上だという話は、フィリピンに来た日本人が最初に驚く事実のひとつだ。
MERALCOの料金水準
マニラ首都圏の電力供給を担うMERALCO(Manila Electric Company)の従量料金は1kWhあたりPHP 10〜12(約36〜43円)程度とされる(時期・契約内容により変動)。日本の一般家庭の電気料金が20〜30円/kWhの範囲であることを考えると、フィリピンは日本と近い水準か、場合によっては高い水準になる。
電気が高い理由として挙げられるのは、国内に大型発電所が少なく石炭・重油の輸入に依存していること、送電ロスが大きい老朽化したインフラ、複数の電力料金に分配・系統安定化料金が上乗せされる構造などがある。
コンドミニアムの電力の仕組み
コンドミニアムに住む場合、電力の契約は建物の管理組合がMERALCOと一括契約しているケースが多い。この場合、居住者はMERALCOの直接顧客ではなく、管理組合から電力を「転売」される形になる。
管理組合は自分たちの管理費・共用部の電力を賄うために、居住者への請求単価を少し高めに設定することがある。これは法律上グレーな部分があるが実態として行われており、メーターを確認して請求額が合わない場合は管理事務所に問い合わせることが有効だ。
月の電気代の目安
スタジオ・コンドミニアムでエアコンを1日8時間程度使うと、月PHP 3,000〜6,000(約10,800〜21,600円)程度の電気代が発生するケースが多い。エアコンの稼働時間が最大のコスト要因で、28〜29℃設定にする、タイマーを活用するだけで月1,000〜2,000ペソの差が出ることもある。
冷蔵庫、洗濯機、インバーターエアコン(省エネ型)への投資は長期的に電気代削減に繋がる。新しいコンドミニアムほどインバーター型エアコンが標準装備されているため、物件選びで節電性能を意識するのも一つの方法だ。
停電(ブラウンアウト)の頻度
地域によるが、フィリピンでは計画停電・突発停電が日常的に起きる。マニラ首都圏中心部は比較的安定しているが、地方では夏場に電力需要が逼迫して長時間停電が発生することがある。
停電時のために小型UPS(無停電電源装置)やモバイルバッテリー、懐中電灯を用意しておく習慣は、フィリピン在住者には共通している。
電気代が高いことを知った上で暮らす
「物価が安い国だから生活費が安い」というのは部分的にしか正しくない。フィリピンでは電気代と食料品の一部(輸入品)は日本と同水準か高くなることを知っておくと、生活費の見積もりが現実に近くなる。