フィリピン育ちの子どもは英語・タガログ語・日本語の三言語を操る
フィリピン在住の日本人家庭で育つ子どもは、自然と英語・タガログ語を身につけます。多言語環境のメリットと課題、日本語を維持するための工夫を紹介します。
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フィリピンで幼少期を過ごした日本人の子どもが、7歳になるころには英語とタガログ語を流暢に話す。日本語も話せる。でも読み書きは日本語が一番遅れる——というパターンが多い。これをどう評価するかで、保護者の考え方が分かれる。
英語習得の速さは本物
フィリピンはASEAN諸国の中でも英語力が高い国として知られる。日常会話、学校教育、テレビ番組、多くが英語で行われる環境で育てば、子どもの英語習得は自然な形で進む。
インターナショナルスクールに通わせると、授業はもちろんすべて英語で、友人との会話も英語になる。小学校3〜4年生ごろには、日本人の大人が家庭教師をつけて学ぶより遥かに流暢な英語を話すようになる子も珍しくない。
タガログ語は意外と早い
学校でフィリピン人の友達ができれば、遊び場でタガログ語が聞こえてくる。ドメスティックヘルパー(ヤヤ)がいる家庭では、ヤヤとタガログ語で話す機会もある。大人が意図せずても、子どもは環境から吸収する。
ただしタガログ語は読み書きを学ぶ機会が少ないため、会話は自然でも読み書きは弱いままになるケースが多い。
日本語が「後退」する問題
フィリピンで育った日本人の子どもに共通する課題が、日本語力の維持だ。英語とタガログ語に囲まれた環境では、日本語を使う機会が家庭の中だけに限られる。特に漢字の習得が遅れやすい。
マニラには日本人学校があり、補習授業校として週末に通うという選択肢もある。日本への帰国を将来的に考えている家庭では、補習校を活用して日本語力を維持しているケースが多い。
「帰国後の学力差」は本当にあるか
日本に帰国した際に、現地校に入ったとき学力差が出る、という話がある。英語は明らかに得意だが、国語(日本語)の読解や漢字が遅れている、という構造だ。
高学年で帰国するほどギャップが大きくなる傾向があるが、子ども自身の適応力は高い。帰国後1〜2年で追いつくケースが大半で、長期的に見ると英語力というアドバンテージがそのまま残る。
小学校選びの現実
マニラ首都圏のインターナショナルスクールは年間費用がPHP 300,000〜600,000(約108万〜216万円)以上かかる。日本人学校はマカティに1校あり、文科省カリキュラム準拠で費用は比較的抑えられる。
フィリピン系の私立学校は費用が低く、英語とフィリピン語で授業が行われる。日本語習得が難しくなるが、現地に長く住む予定なら選択肢になる。
子どもの言語環境は「どこで、何年間、誰と過ごすか」で決まる。フィリピンという環境が持つ最大の武器は、英語が「勉強するもの」ではなく「使うもの」として子どもに入ってくることだ。