ハロハロは単なるかき氷ではない——フィリピンのデザート文化
ハロハロ(halo-halo)は「混ぜ混ぜ」という意味。かき氷の上にフルーツ、豆、ゼリー、アイスクリームが乗った複雑なデザートが映すフィリピン人の食の楽しみ方。
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フィリピンの夏(3〜5月)、熱気の中でハロハロを食べるときのあの爽快感は格別だ。ただ「かき氷にいろいろのせたもの」と思って頼むと、その複雑さに少し戸惑うかもしれない。
ハロハロ(halo-halo)はタガログ語で「混ぜ混ぜ」の意。名前の通り、たくさんの具材を混ぜながら食べるデザートだ。
典型的なハロハロの具材はこんな感じだ。かき氷(細かく砕いた氷)、ウベ(紫芋)アイスクリーム、ナタ・デ・ココ(ヤシの実ゼリー)、スケン(甘く煮た白玉豆)、カロット(タロ芋の甘煮)、ジャック・フルーツ(チェス)、バナナの甘煮、フラン(プリン)、ピニャサン(甘く煮た金時豆)、そしてエバポレーテッドミルクを上からかける。
店によって具材の種類と組み合わせは変わり、スタンダードなものから豪華版まで幅がある。価格は街の食堂で60〜150PHP(約216〜540円)前後が目安だ。
ハロハロの特徴は、「混ぜながら食べる」という行為そのものが楽しみのひとつである点だ。そのままでは層になっているデザートを、スプーンで豪快に混ぜ合わせる。冷たいかき氷とウベの甘さ、豆の食感、ミルクのコクが混ざり合う。
「混ぜることで別の味になる」というコンセプトは、フィリピンの食文化における多様な食材の共存を象徴しているように思える——少し大げさかもしれないが。
ハロハロのルーツについては諸説ある。日本の「みつまめ」や「あんみつ」の影響を受けて、戦前の日本人移民がフィリピンに持ち込んだというのが有力な説のひとつだ。実際、ハロハロに使われる具材(豆の甘煮など)は日本の和菓子の影響を感じさせる。
フィリピン料理はスペイン・アメリカ・中国・日本の影響を受けて発展してきた。ハロハロはそのひとつの結晶かもしれない。
ジョリビー、マクドナルド、シェイキーズといったチェーンも独自のハロハロを提供している。最もポピュラーなのはジョリビーのハロハロで、観光客にも試しやすい入口になっている。
真夏のマニラで汗だくになったとき、路地の食堂に入ってハロハロを頼んでみると、何かフィリピンらしいものに触れた気がする。