フィリピンのHMO(民間医療保険)加入ガイド——PhilHealthだけでは足りない理由
フィリピンでは民間のHMO(Health Maintenance Organization)が実質的な医療保険として機能しています。主要HMO、補償内容、保険料の相場を解説します。
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フィリピンの公的医療保険PhilHealthは、入院費の一部を補填してくれる。ただし「一部」だ。上限額は低く、私立病院の費用を十分にカバーできないことが多い。在比日本人が実質的に頼るのはHMOになる。
HMOとは
HMO(Health Maintenance Organization)は、フィリピン独自の民間医療保険制度。年間保険料を支払い、提携病院・クリニックで治療を受ける。日本の健康保険のように窓口負担が発生しない「キャッシュレス診療」が最大の特徴だ。
主要なHMOには以下がある。
- Maxicare: 最大手。提携病院数が多く、カバレッジの広さで選ばれることが多い
- Intellicare: 法人契約に強い。日系企業の駐在員が加入しているケースが多い
- Medicard: コストパフォーマンスで評価が高い
- PhilCare: 個人向けプランの充実度で定評がある
保険料の相場
個人加入の場合、年間保険料の目安は以下の通り。
| プラン | 年間保険料 | 年間補償上限 |
|---|---|---|
| ベーシック | PHP 15,000〜25,000(約40,500〜67,500円) | PHP 100,000〜150,000 |
| スタンダード | PHP 30,000〜50,000(約81,000〜135,000円) | PHP 200,000〜300,000 |
| プレミアム | PHP 80,000〜150,000(約216,000〜405,000円) | PHP 500,000〜1,000,000 |
法人契約の場合は従業員数や補償内容で大幅に変わるが、1人あたりの保険料はは個人加入より安くなる傾向がある。
提携病院とキャッシュレス
HMOの最大のメリットはキャッシュレス診療だ。提携病院(accredited hospital)であれば、HMOカードを提示するだけで治療が受けられる。マニラ首都圏の主要な私立病院(St. Luke's Medical Center、Makati Medical Center、Asian Hospital等)は大手HMOと提携している。
ただし、補償上限を超える治療費は自己負担になる。高額な手術や長期入院では、HMOの上限を超えることがある。
日本人が加入する際のポイント
HMOは基本的にフィリピン居住者向けのサービスだ。就労ビザやSRRVで滞在している場合は個人でも加入できる。旅行者・短期滞在者は対象外。
歯科(dental)は別プランになっていることが多い。年間PHP 5,000〜15,000(約13,500〜40,500円)の追加で歯科カバレッジを付けられる。
PhilHealthとHMOは併用できる。まずPhilHealthが入院費の一部を負担し、残りをHMOがカバーする構造だ。二重保険ではなく、補完関係にある。