フィリピンの救急病院、「お金を先に払ってください」が当たり前
フィリピンの病院では入院・手術前に保証金を要求されるケースが多い。日本と違う医療費の仕組み、民間保険の重要性、日本語対応病院の情報をまとめます。
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フィリピンの私立病院の救急外来で、意識のある患者が担架から降ろされる前に「デポジットはいくら払えますか」と聞かれた——という話は誰もがどこかで耳にしたことがある。大げさではない。これがフィリピンの医療現場の現実だ。
デポジット制度とは
フィリピンの多くの私立病院では、入院が必要と判断された段階で保証金(デポジット)を求められる。金額は症状や予想される処置の規模によって異なるが、PHP 20,000〜50,000(約72,000〜180,000円)を入院時に現金またはクレジットカードで支払うことを求められるのが一般的だ。手術の場合はさらに高額になる。
払えない場合、退院させられるケースもある。「No Deposit, No Admission」という言葉があるほど、この問題は社会問題化してきた。
公立病院という選択肢
マニラのフィリピン総合病院(Philippine General Hospital)は公立で、デポジットなしで診てもらえる。ただし設備・待ち時間・環境のハードルがある。混雑時には廊下に患者が溢れることもあり、医師の数も十分ではない。
緊急性が低い場合や、最終手段として覚えておく価値はある。ただし外国人が急患で運ばれた場合に公立病院に連れて行かれることはほぼない。
海外旅行保険・民間保険の重要性
フィリピンに来る日本人が必ず用意すべきなのが、医療費をカバーする保険だ。短期旅行なら海外旅行保険、長期滞在なら民間の医療保険(HMO)への加入が現実的な選択になる。
HMO(Health Maintenance Organization)はフィリピン独自の仕組みで、月額PHP 1,000〜5,000程度(推定)の保険料で提携病院が使える。外国人でも加入できる会社がある。
日本語・英語対応病院
マニラ首都圏のマカティ医療センターやセントルーク医療センターでは、英語が堪能な医師がほとんどで、外国人患者の対応に慣れている。日本語通訳が常駐しているわけではないが、緊急時に翻訳アプリと英語で対応できる環境は整っている。
セブシティではCebu Doctors' HospitalやChong Hua Hospitalが評判が良い。いずれも英語での対応が可能だ。
クレジットカードは必ず持参
入院時のデポジット支払いや、薬代の支払いにクレジットカードが使える病院は増えている。ただし現金を手元に持っていない状態で救急に行くのはリスクがある。緊急時に備えて、財布にPHP 20,000(約72,000円)程度のキャッシュを確保しておく習慣を持つ在住者は多い。
「備えがあれば対応できる」という状況が多いのがフィリピンの医療。事前に近くの私立病院の場所と保険証情報を確認しておくと、いざというときに動きやすい。