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ジョリビーはなぜマクドナルドに勝てたのか

フィリピンのファストフードチェーン・ジョリビーは、本国ではマクドナルドより人気が高い。スパゲッティが甘く、チキンが独特の味付けの理由と、海外展開の戦略。

2026-06-14
ジョリビーフードカルチャーフィリピン経済

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フィリピンでマクドナルドとジョリビー(Jollibee)が並んでいると、行列が長いのは大抵ジョリビー側だ。マクドナルドが世界的なブランド力で押しても、フィリピンのファストフード市場でジョリビーが国内シェアトップを保ち続けている。

これは「地元愛」だけで説明できない。


ジョリビーが1978年に創業した当初はアイスクリームショップだった。その後バーガーとチキンに転向し、1981年にはマクドナルドがフィリピンに上陸した。競合の巨人に対してジョリビーが取った戦略は「フィリピン人の味覚に合わせたメニュー開発」だ。

フィリピン人の味の好みは甘さに寛容だ。ジョリビーのスパゲッティ(Jolly Spaghetti)はトマトベースに甘いミートソースと細かく刻んだフランクフルトが入り、チーズが乗る。日本人や欧米人が初めて食べると「え、これスパゲッティ?」と驚くことが多いが、フィリピン人にはこれが「うちのスパゲッティ」の味だ。


チキンジョイ(ChickenJoy)は骨付きフライドチキンで、ジョリビーの看板メニューだ。衣は薄く、甘辛いグレービーソースと組み合わせる。この味付けはマクドナルドのナゲットとは明確に異なり、「これが食べたい」というリピーターを生んでいる。

ご飯(シナンガグ)との組み合わせメニューが充実していることも重要だ。フィリピン人は朝食でもバーガーではなく「チキン+ライス」を選ぶ傾向があり、ジョリビーはそのニーズを正確に満たしている。


海外展開も積極的だ。OFW(海外出稼ぎ労働者)が多く住む米国、中東、香港、シンガポールでジョリビーの店舗が展開されており、「郷愁の味」として海外フィリピン人の支持を集めている。米国では、フィリピン人コミュニティ以外の顧客にも広がりつつある。

親会社のJFC(Jollibee Foods Corporation)は、ジョリビー以外にも国際的なブランドを複数傘下に持つ食品コングロマリットに成長した。フィリピン発の企業がグローバルブランドを買収・運営するという展開は、フィリピンのビジネス界では誇りとして語られることが多い。


マクドナルドが標準化で世界を制したのに対し、ジョリビーは「ローカルの味覚への適応」で本国市場を守った。どちらが正しいというわけではないが、グローバルブランドが必ずしも全市場で圧勝するわけではないという事例として、ジョリビーの話はよく引用される。

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