マニラからダバオまでバスで行くということ
フィリピンの長距離バスはルソン島各地を結ぶ生活インフラだ。エアコン付きの夜行バスで地方へ、あるいはバターン・パンパンガへの日帰り旅。バス文化が映すフィリピンの移動の実態。
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フィリピンはその地理上、7,000以上の島々から成る。島と島の移動はフェリーか飛行機になるが、ルソン島内での長距離移動には今もバスが使われている。
マニラ(PITX:パサイ統合バスターミナルなど)から北部のバギオ、東部のレガスピ、南部のルセナへと、各社のバスが毎日複数便を運行する。夜行バスは長距離移動の定番で、エアコン付き・リクライニングシート付きのプレミアムバスから、窓を開けて走るローカルバスまで幅広い選択肢がある。
長距離バスのチケット代は日本と比べると格安だ。マニラからバギオ(距離約250キロ)まで、スタンダードで200〜400PHP(約720〜1,440円)前後(推定)が目安として紹介されることが多いが、会社・クラスによって異なるため乗車前に確認が必要だ。
渋滞がなければ5〜6時間で到着するが、マニラ首都圏の渋滞次第で2〜3時間追加されることも珍しくない。「バギオに何時に着くか」は出発してみないとわからないというのが正直なところだ。
ミンダナオ島への移動は、ルソン島からの陸路では不可能で、フェリーか飛行機になる。「マニラからダバオまでバスで」という話は実際にはマニラまたはセブから船やフェリーでミンダナオ入りし、そこからバスを使うルートを指すことがある。
ミンダナオ島内の長距離バス移動は、地元住民の重要な移動手段だ。ダバオ〜カガヤン・デ・オロ間など、島内の主要都市を結ぶ路線は複数の会社が競合している。
バスターミナルの雰囲気はフィリピン生活の縮図のような場所だ。食べ物の匂い、呼び込みの声、大きな荷物を持った家族連れ、帰省する学生——バスターミナルは乗り物の乗り場であるより先に、地域と地域をつなぐ生活の交差点だ。
長距離バスは観光客よりも地元住民が多く使う移動手段だ。フィリピンの地方へ行ってみようと思うなら、飛行機より遅くても時間がかかっても、バスの旅には窓の外の景色と乗客との交流という種類の体験がある。