フィリピンのSIMカード・ネット回線の選び方——Globe vs Smart、プリペイドの使い方
フィリピンでのSIMカード購入方法、GlobeとSmartの比較、プリペイドプロモの使い方、自宅Wi-Fiの契約手順まで、通信環境の整え方を実務ベースで解説。
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フィリピンに到着して最初にやるべきことは、SIMカードの購入だ。Grabの配車もGCashの送金もフードデリバリーも、全てスマホの通信回線がなければ始まらない。空港の到着ロビーを出て5分で買える。
SIMカード購入の基本
フィリピンのSIMカードは登録制(SIM Registration Act, Republic Act No. 11934)。2023年から有効なIDの提示と登録が義務化された。外国人の場合、パスポートが本人確認書類になる。
購入場所: 空港の到着ロビー(GlobeとSmartのブースがある)、セブンイレブン、ミニストップ、SM/Robinsonsモール内の通信ショップ、サリサリストア。
SIMカード代: PHP 40〜100(約108〜270円)。ツーリストSIM(データ容量付き)はPHP 300〜500(約810〜1,350円)。空港のツーリストSIMは割高だが、設定をスタッフがやってくれるので楽。
Globe vs Smart
フィリピンの通信市場は2社の寡占状態だ。
Globe Telecom
Globe(グローブ)はAyalaグループ系。マニラ首都圏、セブ、ダバオ等の都市部で電波が安定している。GCash(フィリピン最大のモバイル決済)の運営元でもあり、GCashユーザーにはGlobeの方が利便性が高い。
サブブランドの「TM(Touch Mobile)」はGlobeの低価格版で、同じ回線を使うが料金プランがさらに安い。
Smart Communications
Smart(スマート)はPLDTグループ系。全国カバー率ではGlobeとほぼ同等だが、地方・農村部ではSmartの方が電波が入りやすいとされる。ビサヤ諸島やミンダナオ島の郊外に住む場合はSmart優勢。
サブブランドの「TNT(Talk 'N Text)」はSmartの低価格版。
どちらを選ぶか
結論から言えば、マニラ首都圏・セブ市内であればどちらでも大差ない。迷ったらGCashを使うかどうかで決めるのが合理的。GCashを日常的に使うならGlobe。PayMaya(Maya)派ならSmart。
プリペイドプロモの使い方
フィリピンのSIMはプリペイドが主流。「プロモ」と呼ばれるデータ+通話のパッケージを購入して使う。
Globeの主なプロモ
| プロモ名 | 内容 | 価格 | 有効期間 |
|---|---|---|---|
| GoSAKTO 90 | 2GB データ + 無制限テキスト | PHP 90(約243円) | 7日間 |
| GoSAKTO 120 | 5GB データ + 無制限テキスト+通話 | PHP 120(約324円) | 7日間 |
| Go50 | 1GB データ + 無制限テキスト | PHP 50(約135円) | 3日間 |
| GoSURF299 | 8GB データ | PHP 299(約807円) | 30日間 |
Smartの主なプロモ
| プロモ名 | 内容 | 価格 | 有効期間 |
|---|---|---|---|
| GIGA99 | 2GB データ + 無制限テキスト | PHP 99(約267円) | 7日間 |
| GIGA149 | 5GB データ + 無制限テキスト+通話 | PHP 149(約402円) | 7日間 |
| MAGIC DATA 299 | 12GB データ | PHP 299(約807円) | 30日間 |
プロモの登録方法は3通り。
- ダイヤル/テキスト: 特定の番号にSMSを送る(例: GlobeのGoSAKTO 90はテキストで「GOSAKTO90」を8080に送信)
- アプリ: GlobeOne(Globe)またはSmart App(Smart)から直接購入
- ロード購入: セブンイレブンやサリサリストアで「ロード」(プリペイド残高)を購入し、そこからプロモに登録
自宅Wi-Fiの契約
長期滞在の場合、自宅にWi-Fi回線を引く選択肢がある。
光回線(Fiber)
| プロバイダ | プラン例 | 月額 |
|---|---|---|
| PLDT Fibr | 35Mbps | PHP 1,299(約3,507円) |
| PLDT Fibr | 100Mbps | PHP 1,699(約4,587円) |
| Globe At Home | 35Mbps | PHP 1,299(約3,507円) |
| Globe At Home | 100Mbps | PHP 1,699(約4,587円) |
| Converge ICT | 35Mbps | PHP 1,500(約4,050円) |
| Converge ICT | 100Mbps | PHP 2,500(約6,750円) |
Converge ICTは光回線専業の新興プロバイダで、PLDTとGlobeの2強に食い込んでいる。マニラ首都圏とセブで展開中。速度の安定性ではConvergeの評判が高い。
契約の注意点
工事待ち: 光回線の開通工事は申し込みから2〜4週間かかることが珍しくない。コンドミニアムの場合、管理組合の許可が必要なケースもある。
ロックイン期間: 多くのプランに24ヶ月のロックイン(最低利用期間)がある。途中解約すると違約金が発生。短期駐在の場合はロックインなしプランを選ぶか、プリペイドのポケットWi-Fiを使う方が合理的。
速度と実態: 契約上の速度と実際の速度には乖離があることが多い。特に夜間のピークタイム(19:00〜23:00)は速度が落ちる。100Mbpsプランで実測30〜50Mbps程度なら「まあまあ」の水準。
ポケットWi-Fi(プリペイド)
光回線の工事を待てない場合や、短期滞在の場合はGlobeまたはSmartのプリペイドWi-Fiデバイスが便利。デバイス代がPHP 1,500〜3,000(約4,050〜8,100円)、データはSIMと同じプロモ方式で購入する。
フィリピンの通信環境は年々改善しているが、日本のような「どこでも安定して高速」とは言い難い。ただ、月PHP 1,299で光回線が引けるのは、東京で月5,000〜6,000円の光回線を使っている感覚からすれば安い。速度の安定性を金額で測ると、フィリピンのコスパは決して悪くない。