ウェットマーケットかスーパーか——フィリピンの食材調達で価格差が3倍になる理由
フィリピンの食材価格はウェットマーケット(パレンケ)とスーパーマーケットで大きく異なります。品目別の価格差、衛生面、在住日本人の使い分けを紹介します。
この記事の日本円換算は、1PHP≒2.7円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(PHP)の金額を基準にしてください。
マニラのS&R(コストコ型会員制スーパー)で牛肉1kgを買うとPHP 600〜800(約1,620〜2,160円)。近所のウェットマーケット(Palengke)で買うとPHP 300〜400(約810〜1,080円)。同じ牛肉で価格が2倍近く違う。野菜になるとその差はさらに開く。
ウェットマーケット(Palengke)の実態
「Palengke(パレンケ)」はフィリピン各地にある生鮮市場だ。肉、魚、野菜、果物が露店形式で売られている。「ウェット」と呼ばれるのは、床が常に水で濡れているからだ。
価格の安さの理由:
- 中間業者が少ない(農家→卸→市場の2段階)
- 冷蔵設備や店舗維持のコストが低い
- 量り売りで無駄が少ない
品目別の価格比較(マニラ首都圏の目安):
| 品目 | パレンケ | スーパー |
|---|---|---|
| 鶏もも肉 1kg | PHP 180〜220(約486〜594円) | PHP 280〜350(約756〜945円) |
| 豚バラ肉 1kg | PHP 280〜350(約756〜945円) | PHP 400〜500(約1,080〜1,350円) |
| トマト 1kg | PHP 40〜80(約108〜216円) | PHP 100〜150(約270〜405円) |
| バナナ 1房 | PHP 30〜50(約81〜135円) | PHP 60〜100(約162〜270円) |
スーパーマーケットの利点
一方でスーパーにはスーパーの利点がある。
衛生管理: 冷蔵陳列、パック詰め、消費期限の表示。パレンケでは肉が常温で吊るされている光景が普通だ。
品揃え: 輸入食材、日本食材(醤油、みりん、だしの素等)はスーパーでないと手に入らない。SM SupermarketやRobinsons Supermarketの輸入食材コーナーにはキッコーマン醤油やS&Bカレールーが並ぶ。
エアコン: フィリピンの気温で市場を歩き回るのは体力を消耗する。スーパーは涼しい。
レシート・カード決済: 家計管理や経費処理にはレシートが必要。パレンケは基本現金で、レシートは出ない。
在住日本人の使い分けパターン
長くフィリピンに住む日本人の多くは両方を使い分けている。
パレンケで買うもの: 鮮魚(ラプラプ、バングス等のフィリピンの魚)、野菜、果物、鶏肉。鮮度が良く、顔なじみの店ができると品物を選んでくれる。
スーパーで買うもの: 加工食品、乳製品、輸入食材、調味料、冷凍食品。衛生面での安心感が大きい。
日本食材専門店: マカティのリトル東京周辺やBGCには日本食材を扱う店がある。価格は日本の2〜3倍が相場だが、品揃えは充実している。
パレンケ利用のコツ
- 早朝に行く: 品揃えが最も良いのは朝6〜8時。昼過ぎは売れ残りが多い
- 値切りは控えめに: パレンケの価格はすでにかなり安い。値切りすぎると嫌がられる。常連になる方が長期的に得
- 小銭を用意する: 大きな紙幣(PHP 1,000札)はお釣りがない場合が多い
- ビニール袋を持参する: エコバッグがあると便利。肉と野菜は分けて入れる
パレンケは単なる買い物の場ではなく、地域コミュニティとの接点でもある。顔見知りの肉屋のおばちゃんが「今日はこの部位がいいよ」と勧めてくれる関係性は、スーパーのセルフレジでは得られないものだ。