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アゾレス諸島移住の現実:大西洋の孤島が外国人に提供する特典と生活の限界

アゾレス諸島はポルトガル本土から1,400km離れた大西洋の火山列島だ。自治政府の独自政策・低い生活コスト・壮大な自然——移住の魅力と島暮らしの制約を読む。

2026-06-04
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ポルトガル本土から飛行機で約2時間、大西洋のど真ん中にアゾレス諸島がある。9つの島から成るポルトガルの自治州で、最大の島サン・ミゲル島には緑のカルデラ湖・温泉・牧草地が広がり、「大西洋のハワイ」と呼ばれることもある。

リスボンの家賃高騰・バルセロナの観光公害に疲れたヨーロッパ人の「次の移住先」候補として、アゾレスは静かに注目を集めている。

アゾレスの自治権と独自政策

アゾレスはポルトガルの自治州(Região Autónoma dos Açores)で、独自の議会・政府を持ち、本土とは異なる税制を持つ部分がある。法人税率が本土より低く設定されており、外国企業の誘致に使われてきた。

移住支援に関しても、一部の島では人口維持・活性化のための施策が行われているが、「外国人向けの無償提供」のような大規模なプログラムは多くない。

生活コストの現実

サン・ミゲル島の主都ポンタ・デルガダでは、ワンルームのアパート家賃が月500〜800EUR程度から見つかることがある(推定・時期によって変動)。リスボンの半額以下だ。

食費もポルトガル本土より安い傾向があり、地産の野菜・魚・乳製品が豊富で新鮮だ。アゾレスはポルトガルを代表する乳製品(チーズ・バター)の産地で、スーパーでの品質が高い。

島暮らしの制約

アゾレスへの移住で直面する最大の課題は「物理的な孤立」だ。

本土や欧州との往来にはフライトが必要で、コストと時間がかかる。頻繁に出張する仕事の人、家族や友人に頻繁に会いたい人には向かない。

医療は島によって差がある。サン・ミゲル島(最大島)には総合病院があるが、専門治療が必要な場合は本土に移送されることがある。重篤な疾患を抱える人にとってはリスク要因だ。

リモートワーカーの移住実例

コロナ禍以降、アゾレスへのリモートワーカーの移住が増加したと報告されている。自然の中でのサーフィン・ハイキング・ホエールウォッチング——ワーケーションと「本当の移住」の中間のような暮らし方が成立しやすい。

コワーキングスペースはポンタ・デルガダに数か所あり、外国人同士のネットワークも形成されている。

アゾレスを選ぶ人のプロフィール

「都市の喧騒から離れたい」「自然の中で仕事したい」「生活コストを下げたい」という動機が重なる人に向いている。一方で「多様な文化・グルメ・ナイトライフが欲しい」人には向かない。

アゾレスは「選択肢」だ。都市に飽きた時に思い出す場所として頭に入れておくだけでも価値がある。

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