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ポルトガルで子育て——公立校の学費ゼロと、親が驚く教育システムの中身

ポルトガルの公立学校は大学まで学費無料。幼稚園から高校まで、日本人家庭が知っておくべき教育制度・インターナショナルスクール・学童保育の実情を解説。

2026-05-11
教育子育て学校インターナショナルスクール公立校

この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(EUR)の金額を基準にしてください。

ポルトガルの公立学校は、小学校から高校まで学費がかからない。公立大学の学費も年間EUR 697(約11万1,500円)で、日本の国立大学の約5分の1。この「教育コストの低さ」は、移住先としてポルトガルを選ぶ家庭にとって大きな決め手になっている。

教育制度の基本構造

ポルトガルの義務教育は6歳から18歳までの12年間。日本より3年長い。

段階年齢期間対応する日本の学校
Pré-escolar(幼稚園)3〜5歳3年幼稚園
1º Ciclo(第1課程)6〜9歳4年小学校低〜中学年
2º Ciclo(第2課程)10〜11歳2年小学校高学年
3º Ciclo(第3課程)12〜14歳3年中学校
Ensino Secundário(高校)15〜17歳3年高校

幼稚園(Pré-escolar)は義務ではないが、公立なら無料で通える。3歳から受け入れがあり、共働き家庭にとっては助かる制度だ。

公立校に通う場合のリアル

公立校の授業はすべてポルトガル語。当然ながら、日本から来た子どもはゼロからのスタートになる。

ただし、ポルトガルの公立校には外国人児童向けのポルトガル語補習プログラム(PLNM: Português Língua Não Materna)がある。週に数時間、通常授業とは別にポルトガル語の集中レッスンを受けられる。対応の質は学校によって差があるが、リスボンやポルト周辺の学校は外国人児童の受け入れ経験が豊富だ。

子どもの語学習得能力は大人の想像を超える。移住1年目は苦労するが、2年目には友達と普通に会話している——というケースは珍しくない。

インターナショナルスクールの選択肢

ポルトガル語に不安がある家庭や、将来的に他国への転居を想定している場合は、インターナショナルスクールが選択肢に入る。

学校名所在地カリキュラム年間学費(目安)
St. Julian's Schoolリスボン近郊(カルカヴェロス)IB / イギリス式EUR 12,000〜20,000(約192万〜320万円)
Carlucci American International School of Lisbonリスボン近郊(シントラ)アメリカ式 / IBEUR 15,000〜25,000(約240万〜400万円)
Deutsche Schule Lissabonリスボンドイツ式EUR 8,000〜14,000(約128万〜224万円)
Oporto British Schoolポルトイギリス式EUR 9,000〜16,000(約144万〜256万円)

リスボン圏にはインターナショナルスクールが10校以上ある。東京の駐在員向けインターと比較すると、学費は半分から3分の2程度。ただしそれでも年間200万円以上の出費にはなる。

学童保育・放課後の過ごし方

公立校の授業は通常15時30分頃に終わる。その後、学校が提供するATL(Atividades de Tempos Livres)と呼ばれる放課後活動がある。スポーツ、音楽、アートなどのプログラムが用意されており、月EUR 30〜80(約4,800〜12,800円)程度で利用できる。

日本の学童保育に近い仕組みだが、運営は学校や自治体によってバラつきがある。リスボンの人気校では定員オーバーになることもあるので、学校選びの段階で放課後プログラムの内容も確認しておくのが現実的だ。

日本人家庭が直面する課題

日本語教育の維持: リスボンに日本人学校(補習授業校)はあるが、規模は小さい。ポルト在住の場合は通学が難しく、オンライン教材や家庭での日本語学習が中心になる。

学年の区切り: ポルトガルの学年は9月始まり。日本の4月始まりとずれるため、編入時に学年調整が必要になるケースがある。

成績評価: ポルトガルの成績は1〜5の5段階評価(高校は1〜20の20段階)。日本の評価基準とは異なるため、帰国時の進学に影響する可能性がある。帰国子女枠での受験を視野に入れるなら、在籍証明や成績証明の取得方法を早めに確認しておくといい。

教育費の全体像

公立校ルートを選んだ場合、教育にかかるコストは日本と比較にならないほど低い。

項目ポルトガル(公立)日本(公立)
小〜高校の学費EUR 0実質無償化済みだが給食費・教材費あり
教科書無料配布無料配布
給食EUR 1.5/食(約240円)程度月4,000〜5,000円程度
大学学費(年間)EUR 697(約11万1,500円)約54万円(国立)

大学まで含めた教育費の累計で見ると、ポルトガルは日本の3分の1以下に収まる。子育て世代の移住先としてポルトガルが選ばれる理由の一つが、この教育コスト構造にある。

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