D7ビザ(受動的収入ビザ)——フリーランサー・リタイア層向けの在住ビザ
ポルトガルのD7ビザは、年金・配当・フリーランス収入など受動的収入を持つ人が長期滞在できる在住ビザ。申請条件・必要書類・生活コストの証明方法を解説。
この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(EUR)の金額を基準にしてください。
ポルトガルのD7ビザは、ポルトガル企業への就職なしに長期滞在できるビザだ。年金・不動産収入・配当・フリーランス収入・リモートワーク収入など、ポルトガル国外から得る「受動的収入」を証明することで申請できる。
D7ビザの対象者
- 退職者・年金受給者: 日本の年金をポルトガルで受け取りながら生活したい人
- フリーランサー・リモートワーカー: 日本企業やグローバルクライアントからの収入がある人
- 投資家: 配当・賃料・売却益などの投資収入がある人
- 著作権・ロイヤルティ収入がある人
ポルトガル国内での就労は基本的に認められないが、リモートワーク(海外雇用主との契約)についてはグレーゾーンから段階的に認められる方向に移行している(D8ビザ=デジタルノマドビザが2022年に導入された)。
収入要件
D7ビザの最低収入要件は、ポルトガルの最低賃金(Salário Mínimo Nacional)を基準に設定されている。2025年時点の最低賃金はEUR 870/月。
| 人数構成 | 月収証明の目安 |
|---|---|
| 単身 | EUR 870以上/月 |
| 夫婦2人 | EUR 1,305以上/月(+50%) |
| 子1人追加 | さらに+30%(EUR 261)/人 |
実際には審査官によって見方が異なり、EUR 1,500〜2,000/月以上の収入証明を準備することで申請の安全性が高まるとされる。銀行残高の証明も求められる(通常3〜6ヶ月分の収入証明)。
申請手順
日本から申請する場合
- 在日本ポルトガル大使館・領事館に申請
- 必要書類の準備(後述)
- ビザ取得後ポルトガル入国
- 入国後4ヶ月以内にSEF/AIMA(移民・国境庁)で在留許可証を申請
必要書類(概要)
- 有効なパスポート
- 申請書(大使館所定)
- 証明写真
- 渡航保険(滞在期間全体をカバー)
- 無犯罪証明書(日本の警察署で発行、アポスティーユ付き)
- 収入証明書(銀行明細・確定申告書・年金証書等)
- ポルトガルでの住居証明(賃貸契約書・ホテル予約等)
- ポルトガルのNIF番号(取得済みの場合)
在留許可証の更新
初回の在留許可証は2年間有効。その後2年ごとの更新が可能で、5年の居住後に永住権、6年後にポルトガル市民権の申請資格が生まれる。
市民権取得後はEUパスポートが得られ、EU域内での居住・就労が自由になる。この「EUパスポートへの道」がD7ビザの長期的な魅力の一つだ。
実際の生活コスト
EUR 870/月という最低収入要件は生活を維持するだけの水準で、余裕を持って暮らすにはEUR 1,500〜2,500/月程度が現実的だ。ポルトやアルガルヴェ等、リスボン以外の都市なら家賃コストが下がる分、同じ収入でも生活の質が上がる選択肢がある。