ポルトガルのデジタルノマドビザとNHR廃止後の税務:2024年以降の現実
ポルトガルのNHR(非常習的居住者)優遇税制は2024年に廃止され新制度(IFICI)になった。デジタルノマドビザの要件と合わせて、2026年時点の移住税務の現実を整理する。
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「NHRがなくなった後のポルトガルはどうなるの?」という質問が移住希望者から増えている。2024年1月から旧NHR(Non-Habitual Resident)制度が廃止され、新しいIFICI(Innovation and Technology Incentive)制度に変わった。ポルトガルが「税金が安い移住先」であり続けるかどうか、条件次第で変わってくる。
旧NHRの概要(廃止済み)
旧NHRは2009年に導入された制度で、外国人がポルトガルの税務居住者になって最初の10年間、特定の所得に対して20%の定率課税(または外国源泉所得の免税)を受けられた。
これが「IT専門家・作家・デザイナー等のフリーランス」に大きな優遇となり、リスボン・ポルト・アルガルベへの外国人移住を促進した。
IFICI(新制度)の概要
2024年から始まったIFICI(ポルトガル語の略称、「革新と技術のインセンティブ」の意)は、NHRの後継として一部の対象者に20%の定率課税を提供する。
主な対象者:
- 認定研究者・大学教員
- テクノロジー・IT分野の専門職
- 認定スタートアップへの投資家
- 特定の高付加価値職業(医師・エンジニア等)
重要なのは「NHRより対象が絞られた」点だ。外国人全般向けの広い優遇から、特定の産業・スキルセットに限定された形になった。
デジタルノマドビザ
ポルトガルには2022年に導入されたデジタルノマドビザがある。EU域外からのリモートワーカーが合法的に長期滞在できる。要件(参考・変動あるため公式確認を):
- ポルトガルの国家最低賃金の4倍以上の月収証明(2026年時点の最低賃金は確認が必要)
- 雇用主・クライアントがポルトガル国外であること
- 民間医療保険
ただし、デジタルノマドビザ取得後にポルトガルで183日以上滞在すると税務居住者になり、IFICI等の申請が必要になる。
在住外国人への実際的なアドバイス
NHR廃止後のポルトガルが「税務メリットがなくなった」かというと、状況次第だ。IFICIの対象者であれば依然として優遇がある。対象外でも、ポルトガルの生活コストと気候・生活の質を総合的に考えると、移住の選択肢としての価値は変わっていないという見方もある。
ただし税務の状況は毎年変わりうる。移住前に現地の税務アドバイザー・弁護士に相談することが、後悔しないための前提条件だ。
ポルトガルへの移住の動機が「税金だけ」なら、制度変更のたびに動揺する。「生活・文化・気候込み」で考えると、より安定した選択になる。