リスボンの交通全解剖:トラム・メトロ・トゥクトゥク・電動スクーターを使いこなす
リスボンの公共交通は多様だが、エリアによって使いやすさが大きく異なる。在住者が実際に使う交通の組み合わせ方と、丘の多いリスボン特有の移動の考え方を解説。
この記事の日本円換算は、1EUR≒163円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
リスボンは「7つの丘の街」と呼ばれるほど起伏が多い。平坦な都市に慣れた外国人が歩き回ると、5分後に「これは運動だ」と実感することになる。この地形が交通の選択を複雑にする。
メトロ:主要幹線だが限界がある
リスボンの地下鉄(メトロ)は4路線。市内中心部・北部・空港を結ぶ重要な移動手段だ。
1回乗車1.99EUR(2026年時点・推定)。月定期は購入可能で、在住者なら月額定期(ナビアンテ)を使うコスパが良い。
弱点は「丘の上」に駅がないことだ。アルファマ・グラサ・エストレーラ等の高い地区はメトロのカバー範囲外で、そこへの移動は別の手段が必要になる。
28番トラム:観光と生活の交差点
リスボンの象徴・28番トラムはアルファマの急坂を登り降りするレトロな黄色い路面電車だ。乗り物としての実用性がある一方で、世界中からの観光客が詰め込んでくるため、夏のピーク時は座れないどころか乗れないこともある。
在住者は「観光客が多い時間帯は使わない」か、事前予約できる観光用特別トラムと使い分けることがある。
バスとエレーヴァドール
リスボンの主要バスはCarris社が運営する。市内を広くカバーしており、メトロが届かないエリアへのアクセスに使う。
「エレーヴァドール(Elevador)」と呼ばれるケーブルカー・エレベーターが街のいくつかの場所にある。有名なグロリア(Gloria)・ビカ(Bica)等は観光名所でもあり、普通に使う移動手段でもある。
電動スクーターとシェアバイク
Bolt・Lime等の電動キックスクーターや電動スクーターのシェアサービスが市内に展開している。坂道での使用はバッテリー消費が速く、車との共走は慣れが必要だが、短距離の移動に便利だ。
シェアバイクはGiras(市のサービス)があるが、坂の多いリスボンでは電動アシスト自転車でないと厳しい地区もある。
在住者の実際の移動パターン
中心部(バイシャ・シアード・バイロアルト周辺)に住む在住者は徒歩+メトロで生活が完結することが多い。アルファマ・グラサに住む場合はバス+トラムが必要になる。
空港から市内への移動は、メトロ(空港線)で約30〜40分。荷物が多い場合はタクシーまたはUber(15〜25EUR程度、推定)が楽だ。
リスボンの移動はルートごとに最適な手段が違う。数週間住んでみると「この坂は歩かずにバスだ」という自分なりのパターンが生まれてくる。