ポルトガルが再生可能エネルギー先進国になった理由:大西洋の風と川の力
ポルトガルは電力の100%以上を再生可能エネルギーで賄う日が複数あった。風力・太陽光・水力の地理的優位性と、在住者の電力コスト・グリーンエネルギーとの関係を読む。
この記事の日本円換算は、1EUR≒163円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
2023年のある週、ポルトガルは4日間連続して電力の全消費量を再生可能エネルギーだけで賄ったと報告された(ポルトガルの系統運用機関RENの発表)。一国の全電力需要をほぼ再生可能エネルギーだけで支えた連続記録として注目された。
これは偶然ではなく、ポルトガルの地理と政策の組み合わせの結果だ。
自然条件の優位性
風力: 大西洋沿岸とポルトガル内陸の山岳地帯は風況が良い。特に北部・中部の丘陵地帯に大型風力発電所が集積している。
水力: ドウロ川・テージョ川等の大きな川とその支流に大型の水力発電ダムがある。水力は再エネの中でも安定した出力が得られるため、電力系統の安定化に貢献する。
太陽光: 年間日照時間は南部で2,800〜3,000時間に達する(推定)。スペインと並んで欧州で最も太陽光発電に適した地域のひとつだ。
再エネ比率の推移
ポルトガルの電力に占める再生可能エネルギーの割合は、年によって変動するが概ね50〜60%以上を記録しており、欧州上位国のひとつとして位置づけられている(推定・ENTSOE等のデータより)。
在住者への影響
ポルトガルの電気代は欧州の中で中程度だが、近年の再エネ拡大で価格変動リスクが変化している。天候条件が良い年は電力が余剰になり、逆に渇水年は水力が落ちて価格が上がる。
家庭用太陽光パネル(オートコンサンプション)の普及も進んでおり、リスボン近郊のアパートやコンドミニアムで屋根に太陽光パネルを設置するケースが増えている。
ポルトガルの海洋エネルギー挑戦
ポルトガルは波力発電(Wave Energy)の研究・実証でも先行している国のひとつだ。大西洋の波は安定したエネルギー源として注目されており、アゾレス諸島やポルトガル西岸での実証プロジェクトが報告されている。
商用化には至っていない段階だが、再エネ先進国として「次の資源」を模索している姿勢が見える。
ポルトガルの電力は「緑が多い」国だ。エネルギー観点で移住先を評価するなら、この事実はプラスに働く。