Web Summitがリスボンにいたりポルトガルのスタートアップエコシステムの現在地
2016年からリスボンはWeb Summitの開催地として世界のテック関係者が集まる都市になった。ポルトガルのスタートアップ生態系・政府支援・在住外国人起業家の実態を読む。
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毎年11月、リスボンのアルテロパルクに数万人のテック関係者が集まる。Web Summitはダボス会議のテック版とも言われる大規模イベントで、2016年にダブリンからリスボンに移ってきた(2024年まで開催)。
このイベントの存在がリスボンの「テック都市」としての認知を世界に広げ、スタートアップエコシステムの形成を加速させた。
ポルトガルのスタートアップ政策
ポルトガル政府は「Portugal Tech Visa」(IT・テック分野外国人向けのビザ・在留許可の優遇)を2019年に導入した。IT専門家の誘致を目的とした制度で、申請から取得までのスピードを速めている(従来のビザより処理が早いとされる)。
さらに「Startup Visa」という起業家向けのビザも存在し、ポルトガルのインキュベーターと提携して会社を設立することで在留資格が得られる仕組みがある。
リスボンのスタートアップ拠点
- Second Home Lisbon: 元魚市場を改装した美しいコワーキング。外国人スタートアップが多い
- Startup Lisboa: 市が支援するインキュベーター
- Lisbon Tech Hub: IT・テック系スタートアップの集積エリア
パリスコムを中心とした旧市街からは少し離れた、ベレンやパルケ・ダス・ナソエンス周辺にテック関連施設が集まっている。
エコシステムの規模感
ポルトガルのユニコーン企業は数社程度(Feedzai・Outsystems等が代表的)で、バルセロナやベルリンよりは小さい。ただし「先端の小さな場所」として外国人起業家や投資家に知られるようになっている。
「ロンドンやパリの3分の1のコストで、英語が通じるEUの都市」という価値提案が、特に米国・英国からの外国人に刺さっている。
現実的な課題
ポルトガルの人材プールはロンドン・ベルリンに比べると小さい。エンジニアの採用競争が激しい。スタートアップで働くエンジニアの給与は欧州の相場より低いことが多く、人材の流出も課題だ。
「ポルトガルで始めてスケールは別の場所で」という戦略を取るスタートアップもある。
在住外国人起業家の選択肢
ポルトガルでLDA(有限責任会社)を設立するコストは他のEU諸国より低いとされる(詳細は弁護士に確認)。EU加盟国での法人設立という法的メリットもある。
「リスボンを拠点に欧州展開を狙う」という文脈でポルトガルを選ぶ外国人起業家は、Web Summit以降確実に増えている。