ポルトガルの滞在許可証更新——AIMA(旧SEF)での手続き実態
ポルトガルの滞在許可証(Autorização de Residência)更新手続きを解説。AIMA(旧SEF)の予約方法、必要書類、待ち時間の実態をまとめます。
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ポルトガルの滞在許可証更新の予約を取ろうとしたら、最短で8ヶ月後しか空きがなかった——という話は珍しくありません。2023年にSEF(外国人・国境局)が廃止され、後継のAIMA(移民・亡命庁)に業務が移管されてから、待ち時間の長期化が深刻になっています。
AIMAとは何か
AIMA(Agência para a Integração, Migrações e Asilo)は2023年10月に設立された機関です。旧SEFの入国管理・滞在許可業務を引き継ぎました。SEF時代から慢性的だった予約待ちの問題は、組織改編の混乱で悪化しています。
2025年時点で、AIMAには40万件以上の未処理申請が滞留しているとポルトガル政府が認めています。
更新手続きの流れ
滞在許可証の更新は、有効期限の30日前から申請可能です。
- AIMAのオンラインポータル(SAPA)で予約を取る
- 必要書類を準備する
- 指定日にAIMA事務所に出頭する
- 新しい許可証が郵送される(通常2〜4週間)
主な必要書類:
- 有効なパスポート
- 現在の滞在許可証
- 住居証明(Atestado de Residência)——最寄りのJunta de Freguesia(教区役場)で取得
- NIF(納税者番号)
- 社会保障番号(NISS)
- 健康保険の証明
- 収入証明または雇用契約書
- 証明写真2枚
- 手数料:EUR 50〜72(約8,000〜11,520円)、許可証の種類による
予約が取れない問題
最大の課題は予約です。SAPAポータルで空き枠を探しても、リスボンでは数ヶ月先まで埋まっていることが常態化しています。ポルトやコインブラのほうが比較的空きがある場合もあります。
対策として知っておくべきこと:
- 期限が切れても合法滞在は可能:更新申請中であれば、許可証の有効期限が切れても滞在は合法です。ただし「更新申請の受理証明」を携帯する必要があります
- 弁護士経由の予約:移民弁護士(Advogado de Imigração)に依頼すると、緊急枠や優先対応が可能な場合があります。費用はEUR 300〜800(約48,000〜128,000円)程度
- 早朝のポータルチェック:キャンセル枠が出ることがあるため、朝7時〜8時にSAPAを確認する在住者が多い
自動更新と電子化の動き
ポルトガル政府は2024年から、一定条件を満たす滞在許可証の自動更新(renovação automática)を段階的に導入しています。犯罪歴がなく、税金・社会保障の滞納がない場合、出頭不要で更新される仕組みです。
ただし、対象範囲はまだ限定的で、初回更新やビザ種別の変更を伴うケースは従来どおり対面手続きが必要です。
日本人在住者の実態
日本人の場合、D7ビザやデジタルノマドビザからの滞在許可証更新が多いパターンです。書類の不備で再予約になるケースも少なくないため、事前にリスボンの日本大使館や在住者コミュニティで情報収集しておくと手戻りが減ります。
AIMAの対応言語はポルトガル語が基本です。英語が通じる担当者もいますが、保証はありません。ポルトガル語ができない場合は、通訳を同伴するか、弁護士に手続きを委任する選択肢があります。