ポルトガルの在留カード取得ガイド——SEF廃止後の新しい手続きの流れ
ポルトガルの在留許可証の申請から取得までの流れ、必要書類、待ち時間、そしてSEF廃止後に変わったことを整理して解説します。
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ポルトガルに長期滞在するビザ(D7、デジタルノマドビザ等)で入国した後、最初に直面するのが在留許可証(Autorização de Residência)の取得手続きだ。2023年にSEF(外国人・国境局)が廃止され、手続きの窓口と流れが変わった。この変更で混乱した在住者は多い。
SEF廃止後の新体制
2023年10月、SEFは正式に廃止された。外国人の在留手続きは、新設されたAIMA(Agency for Integration, Migrations and Asylum)に移管された。
ただし、AIMAは設立直後から深刻なバックログ(処理待ち)を抱えている。SEFから引き継いだ未処理案件に加え、新規申請が積み上がった結果、在留許可証の取得までに6ヶ月〜1年以上かかるケースが珍しくない。
申請の流れ
Step 1:ビザでの入国
日本のポルトガル大使館で取得したD7ビザ等で入国する。このビザは通常4ヶ月間有効で、この期間内に在留許可の手続きを開始する。
Step 2:AIMAでの予約(agendamento)
AIMAの予約はオンラインシステムで行う。ただし、予約枠が常に不足しており、「予約が取れない」問題が最大のボトルネックになっている。早朝にサイトをチェックし続けるか、コールセンターに電話する必要がある。
Step 3:AIMAでの面接(biometria)
予約が取れたら、AIMA事務所で指紋の採取と書類の提出を行う。所要時間は30分〜1時間程度だが、待ち時間が長いことが多い。
Step 4:在留カードの受け取り
申請が承認されると、在留カード(Cartão de Residência)が郵送または窓口受け取りで届く。有効期間は通常2年で、更新が可能。
必要書類
ビザの種類によって異なるが、一般的にはパスポート、ビザ原本、NIF番号、住所証明、健康保険証明、犯罪歴証明書(日本で取得・アポスティーユ付き・ポルトガル語翻訳要)、収入・資産証明、証明写真が必要だ。手数料は€155(約24,800円)程度。最新の要件はAIMAの公式サイトで確認すること。
待ち期間中の注意点
在留カードが届くまでの間、手元にあるのはビザとAIMAの受領証(comprovativo)だけだ。この受領証は法的に滞在の正当性を証明するものだが、実務上は以下の問題が起こりうる。
- 銀行口座の開設を断られることがある(在留カードがないという理由で)
- ポルトガル国外への渡航時、再入国で問題が起きることがある(出入国管理官によって対応が異なる)
- 不動産の賃貸契約で追加書類を求められることがある
更新と永住許可
在留カードの有効期限が切れる30〜60日前に更新申請を行う。5年間の合法的な在留の後、永住許可の申請が可能になる。ポルトガル語A2レベルの試験合格が条件の一つだ。
現実的なアドバイス
手続きの遅延はポルトガル在住の外国人全員が直面する問題で、日本人だけが困っているわけではない。弁護士(advogado)に依頼すると書類の不備を防げるため、ポルトガル語に不安がある場合は検討する価値がある。費用は€500〜€1,500(約8万〜24万円)程度が相場だ。