ポルトガルのAIMA(旧SEF)予約システム——オンライン予約と待ち時間対策
ポルトガルの移民手続きを管轄するAIMA(旧SEF)は予約が取れないことで有名。オンライン予約の仕組み、待ち時間の実態、在住者が使っている対策を解説。
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ポルトガルに住む外国人が必ず通る関門がある。AIMA(Agência para a Integração, Migrações e Asilo)だ。旧SEF(Serviço de Estrangeiros e Fronteiras、外国人局)が2023年に廃止され、AIMAに移管された。名前は変わったが、予約が取れないという問題は変わっていない。
何のために行くのか
AIMAで行う主な手続きは以下の通り。
- 在留許可証(Título de Residência)の初回発行: D7ビザやデジタルノマドビザでポルトガルに入国した後、在留許可証を取得するための面接
- 在留許可証の更新: 通常1〜2年ごとに更新が必要
- 家族の呼び寄せ(Reagrupamento Familiar): 配偶者や子どもの在留許可
要するに、ポルトガルに合法的に滞在し続けるために避けて通れない機関だ。
予約が取れない問題
AIMAの最大の問題は慢性的な予約不足だ。2023年の組織再編以降、未処理案件が40万件以上に膨れ上がったと報道されている。オンラインで予約しようとしても、空きスロットが表示されない状態が常態化している。
予約ポータルは https://www.aima.gov.pt/ からアクセスできるが、空きが出るタイミングは不規則で、深夜や早朝にリロードし続けて空きを見つけたという報告がExpat掲示板に多数ある。
実際の待ち時間
初回の在留許可証取得までの待ち時間は、2025年時点で6ヶ月〜18ヶ月が一般的とされる。リスボンやポルトは特に混雑しており、地方都市(ファーロ、コインブラ等)の方が比較的早い傾向がある。
この待ち時間中、ビザの有効期限が切れても「予約済み」であれば合法的に滞在できる。ただし、在留許可証がない状態では一部の手続き(銀行口座の開設、一時帰国後の再入国)に制約が生じるケースがある。
弁護士を使うべきか
ポルトガルの移民弁護士(advogado de imigração)にAIMAの手続きを代行してもらうことは可能だ。費用は€500〜2,000(約80,000〜320,000円)程度で、手続きの種類と複雑さによる。
弁護士を使うメリットは、書類の不備による差し戻しリスクが減ること、予約取得のノウハウがあること、ポルトガル語での対応が不要になることだ。特にポルトガル語に自信がない場合は検討する価値がある。
在住者が使っている対策
早朝チェック: AIMAのポータルは深夜〜早朝にキャンセル枠が出ることがある。毎日6時〜7時にチェックする人が多い。
地方のオフィスを選ぶ: リスボン・ポルトに住んでいても、地方のAIMAオフィスで予約が取れるならそちらを選ぶ。往復の交通費を考えても、数ヶ月早く処理されるなら合理的だ。
書類を完璧に揃える: 書類の不備で差し戻されると、再予約で数ヶ月待つことになる。NIF(税番号)、住所証明、社会保険番号、パスポートのコピー、写真、申請書——一つでも欠けると受理されない。
SNSコミュニティを活用: Facebook Groups(「Americans in Portugal」「Expats in Portugal」等)では、AIMAの予約状況やオフィスごとの待ち時間がリアルタイムで共有されている。
今後の見通し
ポルトガル政府はAIMAの処理能力向上を優先課題に掲げており、2024年以降に職員の増員やオンラインシステムの改善が進められている。しかし、移民流入がさらに増加しているため、根本的な改善には時間がかかるとの見方が多い。
AIMAの予約待ちはポルトガル在住者にとって最大のストレス源の一つだ。渡航前に手続きのタイムラインを理解し、書類を早めに揃え、必要であれば弁護士への相談も含めて計画を立てておく。この準備が、ポルトガル生活の最初の半年の快適さを大きく左右する。