ポルトガルの医療番号(SNS番号)取得ガイド|公的医療を使うための第一歩
ポルトガルで公的医療を利用するにはSNS番号の取得が必要。申請場所、必要書類、取得後にできることまで、手続きの流れを具体的に解説します。
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ポルトガルの公的医療制度(Serviço Nacional de Saúde、略称SNS)は、合法的な居住者であれば国籍に関係なく利用できる。ただし利用開始にはSNS番号(número de utente)の取得が必須。この番号がなければ、公立の病院やクリニックで診察を受けることすらできない。
申請場所と手順
SNS番号は、居住地の管轄にあるCentro de Saúde(公立の診療所)で申請する。
必要書類は以下の通り。
- パスポート
- NIF番号(納税者番号、事前に取得しておく)
- 居住許可証(título de residência)または居住証明
- 住所を証明する書類(公共料金の請求書、賃貸契約書など)
窓口で「Quero registar-me como utente(患者として登録したい)」と伝えれば通じる。英語が通じるスタッフがいるかは場所次第。ポルトガル語に不安がある場合は、ポルトガル語話者に同行してもらうのが確実。
申請から番号発行まで、通常は即日〜数日。場所によっては1〜2週間かかることもある。
SNS番号で何ができるか
SNS番号を取得すると、以下の公的医療サービスが利用可能になる。
- Centro de Saúdeでの一般診察: かかりつけ医(médico de família)が割り当てられる。まずここを受診し、必要に応じて専門医に紹介される
- 公立病院での診察・入院: 救急を含む入院治療
- 処方薬の補助: 公的医療の処方で薬局購入時に補助が適用される
診察料は一律€5〜€15(約800〜2,400円)程度。日本と比べると驚くほど安い。ただし、専門医の予約は数週間〜数ヶ月待ちが一般的で、これがポルトガルの公的医療最大のボトルネック。
かかりつけ医の割り当て
SNS番号の取得後、médico de família(家庭医)が割り当てられる。ただし、医師不足のため割り当てに時間がかかるケースが増えている。リスボンやポルトなどの都市部では特に深刻で、登録しても「médico de família待ち」の状態が続くことがある。
その間も、Centro de Saúdeの当日予約枠や、SNS 24(健康ホットライン、808 24 24 24)での電話相談は利用可能。
民間保険との併用
公的医療の待ち時間が長いため、多くの在住外国人は民間の健康保険を併用している。Multicare、Médis、Advancecare等が主要な選択肢。民間保険があれば私立クリニックで即日〜数日で診察を受けられる。
民間保険の加入にSNS番号は不要だが、公的医療のバックアップとしてSNS番号を持っておくことに意味はある。救急時や重篤な疾患の治療は、公立病院の方が設備が充実しているケースもある。
ポルトガル到着後のやることリストで、NIF番号の次にSNS番号を取得するのが合理的な順序。住所が確定したら早めに動くこと。