ビザ・起業
スタートアップビザ——Web Summit開催国が整備する起業家向けビザ
ポルトガルのスタートアップビザ(Tech Visa)は、起業家・スタートアップ創業者・スタートアップ従業員向けの在住ビザ。Web Summitの拠点でもあるリスボンのエコシステムと申請方法を解説。
2026-04-08
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リスボンでは毎年11月、世界最大級のテック・スタートアップカンファレンス「Web Summit」が開催される。約7万人が集まるこのイベントは2016年からリスボンを本拠とし、ポルトガルをヨーロッパのスタートアップ拠点として世界に印象づけた。
それに呼応するように、ポルトガル政府は起業家・スタートアップ関係者向けのビザ制度(Tech Visa)を整備した。
Tech Visa(テックビザ)の概要
Tech Visaは「Visto Tech」または「Startup Visa」とも呼ばれ、以下を対象とする:
- スタートアップ創業者: ポルトガルで新会社を設立・運営する起業家
- スタートアップ従業員: ポルトガルで認定されたスタートアップに採用された人材
- 認定企業の従業員: IAPMEI(ポルトガル中小企業庁)または AICEP(通商投資局)に認定された企業の雇用
申請の流れ(起業家の場合)
- 事業計画の提出: ポルトガルでの事業計画をIAPMEIまたはStartup Portugalに提出
- 認定取得: 審査を経て「認定スタートアップ」として承認(通常2〜3ヶ月)
- ビザ申請: 在日本ポルトガル大使館・領事館でビザを申請
- 入国→在留許可証取得: 入国後にAIMA(旧SEF)で在留許可証を申請
ポルトガルのスタートアップエコシステム
主要拠点
- Startup Lisboa: リスボン市が支援するインキュベーター。フィンテック・フードテック・ツーリズム系に強い
- UPTEC(ポルト): ポルト大学のテクノロジーパーク。ハードウェア・バイオ系
- Beato Hub(リスボン): 旧工場を再利用した大型スタートアップハブ
- Village Underground Lisboa: コワーキング・イベントスペース
資金調達環境
ポルトガルのスタートアップエコシステムは成長しているが、シードラウンドはEUR 500,000〜1,000,000程度、シリーズAはEUR 2,000,000〜5,000,000が現実的な規模感だ。Silicon ValleyやロンドンのVCが入るケースも増えているが、まだ発展途上の段階にある。
日本人起業家にとってのポルトガル
EU加盟国のポルトガルで会社を設立すると、EU市場全体へのアクセスが得やすくなる。また人件費が西ヨーロッパの中では低く、優秀なエンジニアをドイツやフランスより安くリクルートできるケースもある。
英語が通じる環境・温暖な気候・ヨーロッパとアジア・アフリカを結ぶ地理的位置——これらがポルトガルをスタートアップ拠点として選ぶ理由になっている。
税制面では2024年以降のNHR廃止でメリットが薄れた部分もあるが、法人税率(IRC)が標準21%(小規模企業には軽減税率あり)で、コスト効率は西欧の中では高い方だ。
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