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ポルトガルのスーパー戦争——Pingo Doce vs Continente、そしてLidlの急伸

ポルトガルの2大スーパー、Pingo DoceとContinenteの特徴と使い分け。ドイツ系ディスカウンターLidlの急成長が変えた食料品市場の構造。

2026-05-14
スーパーPingo DoceContinenteLidl食料品

この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(EUR)の金額を基準にしてください。

ポルトガルのスーパーマーケットの棚で、ポルトガル産のオリーブオイル1リットルがEUR 4〜6(約640〜960円)で買える。同じ品質のものが日本では2,000〜3,000円する。この価格差を日常的に体験できるのは、ポルトガルの食生活の大きな利点だ。

ただし、どのスーパーで買うかで価格も品揃えもかなり違う。

ポルトガルの主要スーパー

Continente(コンティネンテ)

ポルトガル最大手。親会社のSonae MC(ソナエ)が運営する。リスボン郊外やショッピングモール内に大型店舗を展開するほか、都市部には小型の「Continente Modelo」「Continente Bom Dia」もある。

特徴は品揃えの幅広さ。食料品だけでなく、家電、衣類、文房具まで扱う大型店は、日本のイオンに近い存在。PB(プライベートブランド)の「Continente」ラインは価格と品質のバランスがよく、日用品の調達はここで完結する。

ポイントカード「Cartão Continente」は燃料の割引にも使えるため、車を持つ家庭には特に人気がある。

Pingo Doce(ピンゴ・ドーセ)

ポルトガル第2位。親会社はJerónimo Martins(ジェロニモ・マルティンス)で、ポーランドでは「Biedronka」ブランドでスーパー事業を展開している。

Pingo Doceの強みは「デリ」と「惣菜」だ。店内調理のローストチキン、パスタ、スープがEUR 3〜6(約480〜960円)で買える。リスボンのオフィス街では、昼食をPingo Doceの惣菜で済ませる会社員が多い。

価格帯はContinenteとほぼ同じだが、Pingo Doceの方がやや高品質志向。生鮮食品、特に魚の鮮度に定評がある。

Lidl(リドル)

ドイツ系のディスカウントスーパー。2000年代からポルトガルに進出し、急速に店舗数を増やしている。

Lidlの戦略は明快だ。品揃えを絞り(常時約2,000品目、一般スーパーの約5分の1)、物流を効率化し、価格を下げる。PBの「Lidl」ブランドは、Continente・Pingo Doceの同等品より10〜20%安いことが多い。

ポルトガルの特徴として、Lidlが「ポルトガル産の食材」を積極的に取り扱っている点がある。ポルトガル産のワイン、オリーブオイル、チーズ、ハムがLidl価格で買える。ドイツ系なのにポルトガル色が濃い、という不思議な店だ。

Minipreço / Auchan / Intermarché

Minipreçoは低価格帯の小型スーパーで、過疎地にも出店している。フランス系のAuchanは郊外の大型店。Intermarchéはフランス系の中型スーパー。いずれもシェアはContinente・Pingo Doce・Lidlに次ぐ位置だ。

価格比較:日常的な買い物

同じ商品でスーパーごとの価格差がどの程度あるか、おおよその目安を示す。

商品ContinentePingo DoceLidl
牛乳 1L(UHT)EUR 0.65EUR 0.69EUR 0.55
食パン(500g)EUR 1.20EUR 1.30EUR 0.89
鶏胸肉 1kgEUR 5.50EUR 5.90EUR 4.90
トマト 1kgEUR 1.80EUR 1.90EUR 1.50
オリーブオイル 750ml(PB)EUR 4.50EUR 4.80EUR 3.90
ワイン(テーブルワイン 750ml)EUR 2.50EUR 2.80EUR 1.99

Lidlが全体的に安いが、品揃えが限定的なので「Lidlで基本を揃えて、足りないものをPingo DoceかContinenteで補う」というパターンの人が多い。

市場と決済事情

ポルトガルの各町には伝統的な市場(Mercado Municipal)がある。鮮魚と野菜の品質はスーパーを上回るが、営業は午前中のみの店が多い。リスボンのカンポ・デ・オウリケ市場やポルトのボリャン市場が有名だが、ローカルの市場の方が日常使いには便利だ。

大手スーパーはMB Way(モバイル決済)対応済み。セルフレジも普及している。レジ袋は有料(EUR 0.10〜0.15/枚)、果物・野菜は量り売りで自分で秤に乗せてラベルを出す方式。日本のスーパーに慣れていると最初は戸惑うかもしれない。

ポルトガルのスーパーは、その国の食文化と経済構造を棚に並べている。ワインが水より安く、オリーブオイルが日本の3分の1の価格で、バカリャウ(干しダラ)の専用コーナーがある。棚を見て歩くだけで、この国の食卓の輪郭が見えてくる。

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