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エリセイラとペニシェ——ポルトガルのサーフタウンで暮らす日本人

ポルトガルの大西洋岸にはヨーロッパ屈指のサーフスポットがある。世界サーフィン保護区のエリセイラとWSLの開催地ペニシェ。サーフィン移住の実態とコスト。

2026-05-05
サーフィンエリセイラペニシェ移住ポルトガル

この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨(EUR)の金額を基準にしてください。

ポルトガルの海岸線は約1,794km。その大半が大西洋に面し、北からの強いうねりを受ける。ヨーロッパのサーファーにとって、ポルトガルはバリやハワイに並ぶ聖地だ。そして近年、日本からサーフィンを目的にポルトガルに移住する人が増えている。

エリセイラ——世界で2番目のサーフィン保護区

リスボンから車で約40分北にあるエリセイラ(Ericeira)は、2011年に世界サーフィン保護区(World Surfing Reserve)に認定された。世界で2番目、ヨーロッパ唯一の認定地だ。

エリセイラの海岸線には複数のポイントブレイクが並んでおり、レベルに合わせて波を選べる。Coxos(コショシュ)は上級者向けのリーフブレイク、Ribeira d'Ilhas(リベイラ・ディリャス)はWSL(World Surf League)のコンテストが開催されるメインブレイク、Foz do Lizandro(フォス・ド・リザンドロ)はビーチブレイクで初中級者向けだ。

ペニシェ——WSLの常連開催地

リスボンから約80km北のペニシェ(Peniche)は、半島状に突き出た地形のおかげで、風向きに関係なくどこかで波が立つ。WSLのCTイベント「MEO Rip Curl Pro Portugal」がSupertubos(スーパートゥボス)ビーチで開催されることで知られる。

Supertubosは名前の通りチューブ波が特徴で、世界トップクラスのパワフルな波だ。ただしペニシェにはビギナー向けのビーチブレイクもあり、サーフスクールも充実している。

サーフィン移住のコスト

サーフスクール: 1レッスン(約2時間)€30〜50(約4,800〜8,000円)。ボード・ウェットスーツのレンタル込み。

ボードレンタル: 1日€15〜25(約2,400〜4,000円)。長期滞在なら月額プランで€100〜150(約16,000〜24,000円)程度。

自分のボード: 現地のサーフショップで新品€400〜800(約64,000〜128,000円)。中古はOLX(ポルトガルのメルカリ的サイト)で€100〜300(約16,000〜48,000円)。日本からボードを持ち込む場合、航空会社のサーフボード預け入れ料金は片道€50〜100程度。

ウェットスーツ: 冬(12〜3月)は水温13〜15℃で、4/3mmのフルスーツが必要。夏(6〜9月)は水温18〜20℃で、3/2mmまたはスプリングスーツ。€100〜300(約16,000〜48,000円)。

エリセイラの生活コスト

エリセイラは近年の人気で家賃が上昇している。

  • 1ベッドルームのアパートメント: 月€800〜1,200(約128,000〜192,000円)
  • シェアハウスの1部屋: 月€400〜600(約64,000〜96,000円)
  • 食費: 自炊中心で月€200〜300(約32,000〜48,000円)

5年前のエリセイラは「リスボンの半額」で暮らせる場所だったが、デジタルノマドの流入で価格が急騰した。それでもリスボン中心部よりは安い。

ペニシェの生活コスト

ペニシェはエリセイラよりさらに安い。

  • 1ベッドルーム: 月€500〜800(約80,000〜128,000円)
  • シェアハウス: 月€250〜400(約40,000〜64,000円)

ただしペニシェはリスボンへのアクセスがエリセイラより悪い(車で約1時間、公共交通は1日数本のバスのみ)。「波は近いが都市は遠い」というトレードオフがある。

日本人サーファーのコミュニティ

ポルトガルの日本人サーファーの数はまだ少ないが、確実に増えている。SNS(Instagram、X)で「ポルトガル サーフィン」と検索すると、移住者の発信が見つかる。

日本との大きな違いは、ローカリズム(地元サーファーの縄張り意識)が日本ほど強くないことだ。もちろん混雑したポイントではマナーが重要だが、基本的なルール(ドロップイン禁止、ローカルへの敬意)を守れば排他的な空気は少ない。

注意点

海流(カレント): 大西洋のカレントは太平洋と比べて強い場合がある。特に冬のリーフブレイクは上級者向け。自分のレベルを過信しないことが最も重要だ。

水温: 夏でも日本の太平洋側より冷たい。ウェットスーツなしで入るのは7〜8月の一部の日だけだ。

サーフィンのために住む場所を選ぶという生き方は、日本ではまだ少数派かもしれない。しかしポルトガルでは、波の質・生活コスト・ビザの取りやすさが揃っている。大西洋の波が毎朝の通勤路にあるという暮らしは、一度体験すると日本の波打ち際では物足りなくなるかもしれない。

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