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ポルトガルの所得税IRS——外国人が知るべき税率と確定申告の流れ

ポルトガルの所得税(IRS)を外国人居住者向けに解説。累進税率、確定申告の手順、NHR廃止後の税制変更点をまとめます。

2026-05-03
所得税IRS確定申告税金

この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨(EUR)の金額を基準にしてください。

ポルトガルの所得税の最高税率は48%です。「物価が安くて税金も安い」というイメージでポルトガルに移住した人が、最初の確定申告で驚くことがあります。

IRSの基本構造

IRS(Imposto sobre o Rendimento das Pessoas Singulares)は個人所得税です。ポルトガルの税務居住者は、全世界所得に対して課税されます。

2025年の累進税率:

課税所得(EUR)税率
〜7,70313.25%
7,703〜11,62318%
11,623〜16,47223%
16,472〜21,32126%
21,321〜27,14632.75%
27,146〜39,79137%
39,791〜51,99743.5%
51,997〜81,19945%
81,199超48%

さらに、年収EUR 80,000超の場合は追加税(Taxa Adicional de Solidariedade)として2.5〜5%が上乗せされます。

確定申告の流れ

ポルトガルの確定申告は毎年4月1日〜6月30日にオンラインで行います。

  1. Portal das Finanças(税務ポータル)にログイン:NIF(納税者番号)とパスワードが必要
  2. 自動入力内容を確認:雇用所得・銀行利子等は自動で反映される
  3. 控除項目を追加:医療費、教育費、住居費等
  4. 申告書を送信
  5. 還付または追加納付:通常7月〜9月に結果が通知される

申告はポルトガル語のみです。英語版はありません。Google翻訳で対応する在住者もいますが、初年度は会計士(Contabilista Certificado)に依頼するのが現実的です。費用はEUR 100〜300(約16,000〜48,000円)程度。

外国人が注意すべきポイント

税務居住者の判定

ポルトガルに年間183日以上滞在するか、12月31日時点でポルトガルに住居を持っている場合、税務居住者とみなされます。税務居住者になると全世界所得が課税対象です。

日本との二重課税防止

日本とポルトガルは租税条約を締結しています。日本で源泉徴収された所得については、ポルトガル側で外国税額控除を申請できます。ただし、手続きが複雑なため会計士の支援が必要になることが多い。

e-Fatura(電子レシート)

ポルトガルでは買い物のたびにNIFを提示してレシートを紐付ける文化があります。e-Faturaに登録された支出は、確定申告時に自動で控除対象として反映されます。

主な控除上限(2025年):

  • 医療費:所得の15%まで(上限EUR 1,000)
  • 教育費:所得の30%まで(上限EUR 800)
  • 住居費(家賃):上限EUR 502
  • 一般支出:上限EUR 250

スーパーやカフェでNIFを聞かれたら伝える習慣をつけておくと、年間の控除額が変わってきます。

フリーランス・個人事業主の場合

フリーランスの場合、「Regime Simplificado(簡易課税制度)」か「Contabilidade Organizada(正規簿記)」を選択します。年間収入EUR 200,000以下であれば簡易課税制度が使え、業種に応じて所得の25〜75%が自動的に経費として認められます。

IT・コンサルティング等の高付加価値サービスは、収入の75%が課税所得として計算されます。つまり25%が自動経費控除。残りの75%に上記の累進税率が適用されます。

ポルトガルの税制はNHR廃止後もフリーランスにとって複雑です。移住初年度は特に、ポルトガルの税制に詳しい会計士への相談を検討する価値があります。

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