ポートワインとヴィーニョ・ヴェルデ——ポルトガルワインの多様性
ポルトガルワインの代表格ポートワインと、軽快な微発泡ワイン「ヴィーニョ・ヴェルデ」を中心にポルトガルワイン文化を解説。産地・味わい・在住者の楽しみ方まで。
ポルトガルはワイン生産国として、フランス・スペインの陰に隠れがちだが、国土面積の割にはっきりとした個性を持つワインを産出している。ポートワインのように世界的に知られるものから、ポルトガルの外ではほとんど飲まれていないヴィーニョ・ヴェルデまで、その幅は驚くほど広い。
ポートワイン(Vinho do Porto)
ポルトガル北部のドウロ(Douro)川沿いの急峻な段々畑で作られる、アルコール強化ワインだ。発酵途中にブランデーを加えてアルコール度数を上げ(通常19〜22%)、甘みを残す製法が特徴。
ポルトのワインセラーはドウロ川を渡った対岸のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアに集中しており、TaylorやGraham's・Sandeman等の老舗セラーが観光客向けにツアーとテイスティングを提供している。
主なスタイル:
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| Ruby Port | 若いフルーティーな赤。果実味が強い |
| Tawny Port | 樽熟成で琥珀色。ナッツ・カラメル風味 |
| LBV(Late Bottled Vintage) | 単一ヴィンテージ。コストパフォーマンスが高い |
| White Port | 白ブドウから作る。食前酒として冷やして飲む |
在住者の間では「白ポートとトニックウォーターのカクテル(Port&Tonic)」が気軽な夏の飲み物として人気だ。
ヴィーニョ・ヴェルデ(Vinho Verde)
「緑のワイン」を意味する名前だが、色は白・ロゼ・赤があり、「若い(未熟な)ワイン」という意味合いが正確だ。ポルトガル北西部のミーニョ地方が産地で、微発泡・低アルコール(8〜11%)・爽やかな酸味が特徴。
夏に冷やして飲むと格別で、スーパーでEUR 3〜8程度から手に入る。在住者が「ポルトガルに来てから一番日常的に飲むようになったワイン」として挙げることが多い。
アレンテージョのワイン
ポルトガル南部のアレンテージョ(Alentejo)地方は、広大な平原でワインを生産する産地だ。Esporão・Herdade do Esporão等の大規模生産者が国内外で評価されている。ボルドー系品種を使ったフルボディの赤が代表的で、価格対品質比が高い。
スーパーでのワイン事情
ポルトガルのスーパーのワイン棚は選択肢が豊富で、EUR 4〜10程度でも満足できる品質が多い。高級ワインは別として、「日常飲みのレベルでコストパフォーマンスが高い国」という認識は在住者の間で共通だ。
ワインをスーパーで買って自宅で飲む習慣は、ポルトガル生活の質的な充実に確実に貢献する。