海外在住者の在外選挙——登録から投票まで、一度やればわかる手続きの全体像
海外在住日本人が参加できる在外選挙の仕組みを解説。在外選挙人名簿への登録方法、郵便投票・在外公館投票・オンライン申請の手順、選挙権の維持方法まで。
海外に住んでいると選挙権がなくなると思っている方がいますが、そんなことはありません。
在外選挙人名簿に登録すれば、日本を離れていても衆議院・参議院の選挙に投票できます。ただし、登録から完了まで3〜5ヶ月かかります。「選挙が近づいてから登録しよう」では間に合わない。早めに動いておく必要があります。
在外選挙の仕組み
海外在住の日本人が選挙に参加するには、まず「在外選挙人名簿」への登録が必要です。
国内の選挙人名簿(住民基本台帳)とは別のリストで、海外転出届を提出した人が新たに登録申請をします。一度登録すれば、その後は申請不要で投票できます(住所変更時を除く)。
登録できる人
- 日本国籍を持つ18歳以上
- 海外転出届を提出済み(住民票が除票されている)
- 国外に継続して3ヶ月以上住んでいる(または住む予定がある)
注意: 海外転出届を出していない場合は、住民票が残っているため国内の選挙人名簿のままです。この場合、在外選挙人名簿への登録はできませんが、帰国時に国内で投票することは可能です。
登録申請の手順
① 在外公館で申請する
最寄りの日本大使館または総領事館で申請書を提出します。
必要書類:
- 在外選挙人名簿登録申請書(在外公館でもらえる。外務省のウェブサイトからもダウンロード可)
- パスポート
- 滞在先の住所を証明できるもの(就労ビザ・賃貸契約書等)
申請書は在外公館の窓口に持参するほか、郵送でも申請できます。一部の在外公館ではオンライン申請システムを試験的に導入しています(詳しくは各在外公館のウェブサイトで確認を)。
② 審査・登録(3〜5ヶ月)
申請後、在外公館が日本の市区町村選挙管理委員会に送付し、審査を経て名簿に登録されます。このプロセスに3〜5ヶ月かかります。
登録が完了すると「在外選挙人証」が発行され、在外公館から受け取れます。
投票方法は3種類
| 投票方法 | 場所 | 投票期間 |
|---|---|---|
| 在外公館投票 | 最寄りの日本大使館・総領事館 | 選挙公示後から定められた期間 |
| 郵便投票 | 自宅で記入して郵便で送付 | 在外公館から投票用紙を取り寄せる必要あり |
| 国内投票(一時帰国時) | 選挙期日前投票所(任意の場所) | 選挙期日前 |
在外公館投票
最もシンプルな方法です。選挙が公示されたら、最寄りの大使館・総領事館に在外選挙人証を持参して投票します。
投票所受付時間や投票可能期間は選挙ごとに異なるため、在外公館のウェブサイトまたは外務省の在外選挙特設ページで確認が必要です。
郵便投票
在外公館まで行けない場合の選択肢です。
流れは以下のとおりです。
- 在外公館または郵便で投票用紙を請求する
- 投票用紙が届いたら自宅で記入
- 封筒に入れ、選挙管理委員会宛に郵送する
郵送の所要日数が問題になることがあります。投票締め切りに間に合うように、早めに請求・発送することが必要です。
国内投票(一時帰国時)
帰国中に選挙があれば、国内の期日前投票所でも投票できます。在外選挙人証を持参し、全国どこの市区町村の選挙管理委員会でも投票できます。
投票できる選挙の種類
在外選挙で投票できるのは、**衆議院議員選挙(小選挙区・比例代表)と参議院議員選挙(比例代表・選挙区)**です。
地方選挙(都道府県知事・市区町村長・地方議員)は対象外です。かつては比例代表のみでしたが、2007年から選挙区選挙にも投票できるようになりました。
よくある疑問
Q. 登録しても投票しなかった場合、どうなりますか? 特にペナルティはありません。義務ではなく権利です。
Q. 住所が変わった場合はどうすればいいですか? 同じ国内での引っ越しなら在外公館に届け出が必要です。別の国に移った場合は新しい在外公館で手続きをします。
Q. 在外選挙人証を紛失した場合は? 在外公館で再発行できます。
Q. いつ登録すべきですか? 海外転出届を出した直後が最適です。「次の選挙の前に」と思っていると、3〜5ヶ月のリードタイムで間に合わないことがあります。
登録を検討するタイミング
在外転出届を提出したタイミング、または渡航後に3ヶ月の滞在条件を満たした時点で申請を検討するのがベストです。
日本国内では選挙権の行使が当たり前の権利です。海外にいても同じ権利があることを知っておく価値はあります。
外務省の在外選挙公式情報: https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/senkyo/index.html