帰国前にやること全リスト——銀行・保険・ビザ・引越し、見落としゼロで帰る
海外から日本に本帰国するときにやるべきことを時系列で整理。現地のビザ・銀行口座・保険・賃貸契約の解除から、日本側の転入届・年金再加入・健康保険まで網羅したチェックリスト。
「帰国日が決まった」——その瞬間から、やることリストは一気に膨らむ。ビザの終了手続き、銀行の残高移動、引越し業者の手配、日本側の転入届。一つ見落とすと、後から取り返しのつかない手間になる。
時系列で整理したので、上から順に消化していってほしい。
帰国6ヶ月前〜3ヶ月前:現地の大きな手続きから着手
帰国が見えてきた段階でまず動くべきなのは「解約に時間がかかるもの」から。賃貸の退去予告は1〜3ヶ月前が多いが、国によって異なる。
| 手続き | 目安時期 | メモ |
|---|---|---|
| 賃貸の退去予告 | 6〜3ヶ月前 | 契約書を確認。予告期間を過ぎると家賃が発生し続ける |
| 海外引越し業者の見積もり | 3〜4ヶ月前 | 船便は30〜60日かかる。国際引越しは早めに動く |
| 海外の民間保険の解約通知 | 2〜3ヶ月前 | 空白期間を作らないよう、帰国日と合わせて解約日を設定 |
| 子どもの学校手続き | 3ヶ月前 | 現地校の退学届、日本の学校の受け入れ確認 |
| 会員制サービス・サブスクの解約 | 随時 | ジム、クリニックのかかりつけ契約など |
船便を使う場合は特に注意が必要。30〜60日の輸送期間があるため、帰国日から逆算して荷物を送り出す日を決めておかないと、日本で数週間荷物なしで過ごすことになる。
帰国1〜2ヶ月前:ビザと銀行の整理
ここが最も複雑なフェーズ。ビザの種類と国によって手続きが異なるため、現地の入国管理局か大使館に必ず確認すること。
ビザ・在留資格の終了手続き
多くの国では、長期ビザを保有したまま出国するだけで手続きが完了するが、以下のケースは別途手続きが必要になることがある。
- シンガポール: EP・S Passはキャンセル申請が必要。雇用主経由でMOMに通知
- オーストラリア: ビザは出国で失効するが、PR(永住権)保有者は再入国要件を確認
- マレーシア: MM2Hビザはキャンセル手続きが必要な場合あり。出国税(税務クリアランス)の取得も
- タイ: 就労ビザは雇用主がWork Permitをキャンセルする必要がある
銀行口座の整理
帰国後も日本からオンラインで管理できる場合は維持が選択肢になるが、残高の送金だけするなら帰国前に動いておく。
Wiseを使えば現地通貨から日本円への送金は低コストで完結する(詳細は別記事参照)。100万円超の現金を日本に持ち込む場合は税関申告が必要(外国為替及び外国貿易法)。
帰国2〜4週間前:荷物の仕分けと日本側の準備
| 作業 | 内容 |
|---|---|
| 荷物の仕分け | 船便 / 航空便 / 廃棄 / 現地で売却 |
| 車の売却または返却 | リース車は返却。マイカーは売却手続き |
| 各種住所変更通知 | クレジットカード、証券口座、保険会社など |
| 日本側の住居確保 | 転入届の前に実家や仮住まいを確保 |
| 日本の携帯SIM手配 | 帰国直後からつながる環境を先に用意 |
帰国後1週間以内:最優先でやること
ここが見落としやすいポイント。帰国直後は体力的にも消耗しているが、転入届は後回しにすると他の手続きが全部止まる。
転入届(最優先)
市区町村の役所に転入届を提出する。帰国後14日以内が原則。これが全手続きの起点になる。
持参するもの:
- パスポート
- 戸籍謄本(市区町村によって不要なことも)
- 印鑑(シャチハタ不可の場合あり)
転入届が完了すると、マイナンバーの再交付申請、運転免許の住所変更などが続けて進められる。
転入届と同時に手続きできるもの
| 手続き | 窓口 | 備考 |
|---|---|---|
| 国民健康保険の加入 | 市区町村の保険年金課 | 転入届と同日が理想 |
| 国民年金の第1号被保険者への変更届 | 年金事務所 or 市区町村 | 就職が決まっていれば会社経由 |
| マイナンバーカードの住所変更 | 市区町村 | 持っている場合 |
会社員として就職が内定していれば、社会保険(健康保険・厚生年金)は会社が手続きする。国民健康保険・国民年金への加入は就職まで「つなぎ」になることが多い。
帰国後1〜2ヶ月以内:次の手続き群
| 手続き | 期限目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 運転免許証の住所変更・更新 | 次回更新前 | 有効期限が切れていたら即更新 |
| 銀行口座の開設・再開 | 随時 | 住民票があると手続きがスムーズ |
| 確定申告(帰国した年の分) | 翌年2〜3月 | 非居住者期間の所得も要確認 |
| 海外口座の利子・配当の申告確認 | 同上 | 日本の税制が適用される |
| 運転免許証の更新 | 有効期限前 | 帰国特例(1年以内)あり |
住民票が必要な手続き一覧
転入届直後に発行できる「住民票」「住民票記載事項証明書」が必要な手続きをまとめておく。
- 銀行口座の開設・住所変更
- クレジットカードの申し込み・住所変更
- 賃貸契約(保証会社審査)
- マイナンバーカードの取得・更新
- 自動車の名義変更・車庫証明
- 子どもの学校の転入手続き
住民票は役所窓口以外にコンビニのマルチコピー機でも取得できる(マイナンバーカードが必要)。手続きが重なる時期は複数枚取得しておくと効率がいい。
見落としやすいポイント3つ
1. 帰国直後の保険空白リスク 転入届前に体調を崩して受診すると、保険適用前のため全額自己負担になる。帰国直後〜転入届提出日の間は特に注意が必要。
2. 住民税の空白と翌年の課税 帰国した年の翌年1月1日に住民票がある市区町村で住民税が課税される。帰国直後に就職しなくても、前年の海外所得があれば課税対象になることがある。
3. 運転免許証の有効期限 海外在住中に有効期限が切れていた場合、帰国後の更新手続きに「外国在留証明」が必要なケースがある。パスポートの出入国スタンプや住民票除票が証明になる。
帰国は終わりではなく、日本での生活を再スタートさせる手続きの始まり。最初の2週間で転入届・健康保険・年金の3つを完了させれば、後はリズムに乗れる。