コンドとHDBどちらを選ぶか——外国人の住まい選び実態
シンガポールで外国人が賃貸を選ぶ際、コンドミニアムとHDB(公団住宅)の違いは価格だけではない。立地・設備・ルール・コミュニティの観点から実態を整理する。
この記事の日本円換算は、1SGD≒115円で計算しています(2026年4月時点)。
シンガポールの賃貸市場で外国人が最初に迷うのは、コンドミニアムにするかHDBフラットにするかだ。月$1,500(約17万円)の差は小さくない。ただ、価格だけで選ぶと後悔するケースも多い。
HDBを借りることはできるのか
外国人がHDBを賃借するのは法律上可能だ。ただしSingapore Citizens(SC)またはPermanent Residents(PR)のオーナーがHDB Boardの承認を得た上で賃貸に出せる物件のみが対象となる。
賃料の目安はこうだ。
- 2-room HDB(Toa Payoh周辺): $2,000〜$2,500/月(約23〜29万円)
- 3-room HDB(Tampines周辺): $2,500〜$3,200/月(約29〜37万円)
- 4-room HDB(Queenstown周辺): $3,000〜$3,800/月(約35〜44万円)
2023年以降の賃料高騰が落ち着きつつあるが、中心部に近いHDBは依然として高い。
コンドミニアムとの実質差
コンドの賃料はHDBより月$1,000〜$2,000高いことが多い。ただし含まれるものが違う。
コンドに付いていてHDBにないもの:
- プール・ジム・BBQピット・警備員(24時間)
- ゲストパーキング
- 共有スペースの管理
月$5,000のコンドを選ぶなら、プール代・ジム代・セキュリティ代をすべて含むと考えると割高感は薄れる。独身や子なし夫婦でアメニティをよく使う人には合理的な選択だ。
立地の現実
HDBはMRT駅直結の物件が多い(特にビシャン・タンピネス・ウッドランズ)。コンドは高級エリア(オーチャード・リバーバレー・マリーナ)が多いが、郊外にも増えている。
日本人学校(チャンギ・ブキティマ)への通学を重視するなら、東部・西部それぞれに選択肢がある。家族帯同かどうかで優先する立地が変わる。
ルール面での注意点
HDBには「ミニマム占有期間」ルールがある。オーナーがHDBを購入後5年間は賃貸に出せない規定だ(Minimum Occupancy Period)。そのため市場に出回るHDB賃貸物件の数は限られており、条件のいい物件は早く埋まる。
コンドは規約がより緩い。ペット可の物件もある(ただし大型犬は不可物件多数)。
実際の選び方
予算$3,500以下ならHDB一択になることが多い。$4,500を超えるならコンドの選択肢が広がる。$3,500〜$4,500のレンジが最も迷いやすく、この帯では「立地+アメニティ利用頻度」で判断するのが現実的だ。
会社の住宅手当上限が$5,000なら中心部のコンド、$3,500なら駅近HDBを検討するという使い分けが実際によくある。上司や同僚に聞いてみると、自分の職場・生活スタイルに合った情報が得られることも多い。