シンガポール就労ビザの種類と取得条件——EPとSパスの違いを整理する
シンガポールで働くにはEmployment Pass(EP)またはS Passが必要。それぞれの最低給与要件・職種条件・申請プロセスの違いと、外国人採用における企業側の義務も解説します。
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「シンガポールで働く」と決めたとき、最初にぶつかるのがビザの種類だ。
観光ビザで滞在できても、就労するには別の許可が必要で、種類によって条件が大きく異なる。どれに当てはまるかを最初に理解しておくと、採用交渉での見通しも立てやすい。
主な就労ビザの種類
Employment Pass(EP):専門職・管理職・経営幹部向け。最低月給要件は定期的に引き上げられており、2025年時点では一般的に月5,000〜6,000SGD以上(条件・職種・MOM公式サイトで最新確認のこと)。
S Pass:中程度のスキルを持つ外国人向け。EPより低い給与水準で申請可能だが、企業側に雇用可能人数の上限(クオータ)がある。
EntrePass:外国人起業家向け。革新的なビジネスを持つことが条件。
Work Permit(WP):建設・製造・外食等の分野で単純労働に従事する外国人向け。特定の国籍・業種・条件が設定されている。
EPとSパスの実務上の違い
日本人の場合、多くがEPで就労することになる。
EPはMOM(Ministry of Manpower)への申請後、数週間で許可・却下の通知が来る。近年の審査は厳しくなっており、給与要件を満たしているだけでなく「その職種にシンガポール人を優先して探したか」(Fair Consideration Framework)という観点からも評価される。
S Passは企業側にクオータ制限があるため、規模が小さい企業では枠が既に埋まっていることがある。
フェア・コンシダレーション・フレームワーク(FCF)
FCFは「外国人を採用する前にシンガポール人を公平に検討したか」を確認する制度だ。一定規模以上の企業は、外国人採用前にジョブバンク(求人掲示板)に14日間以上掲載する義務がある。
これは外国人就労者への批判・懸念を背景に強化されており、企業側の採用プロセスに影響している。「シンガポール人との競争に勝てる理由がある人」が外国人採用の対象、という方向性だ。
家族帯同ビザ
EPを取得すると、配偶者・子どものDependant's Pass(DP)取得が可能になる(条件あり)。
DPでシンガポールに滞在する配偶者は、特定の条件下でLOC(Letter of Consent)を取得して就労できる場合がある。
日本人駐在員の配偶者がシンガポールで働きたい場合、このLOCの取得がスタート点になる。条件は複雑なため、MOM公式サイトまたは専門の就労許可エージェントに確認することをすすめる。
最新情報の確認先
就労ビザの要件は頻繁に変更される。このテキストに書かれた数字や条件は執筆時点のものであり、申請時には必ず最新情報を確認すること。
公式情報はシンガポール人力省(MOM)のウェブサイト(mom.gov.sg)が一次ソースだ。