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帯同配偶者の孤独——シンガポールで仕事を持たない外国人の日常

パートナーの赴任でシンガポールに来た帯同配偶者。仕事も友人もない状況で、どう日常を築くのか。在住者の実態と孤立を避けるためのヒントをまとめました。

2026-04-24
帯同配偶者駐在家族コミュニティシンガポール生活

この記事の日本円換算は、1SGD≒115円で計算しています(2026年4月時点)。

夫(または妻)の赴任に帯同してシンガポールへ。最初の1〜2週間は観光気分でいられる。スーパーで見慣れない食材を眺め、ホーカーで昼食を取り、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイを散歩する。でも3週間を過ぎると、「今日も何もない一日だった」という感覚が積み重なってくる。

Dependant's Pass(DP)の就労制限

シンガポールで帯同配偶者が取得するのは通常Dependant's Pass(DP)。このビザは原則として就労が認められていない。就労するには別途LOC(Letter of Consent)またはEP/SPassを取得する必要があり、採用側の企業にも申請の手間がかかる。

結果として、多くの帯同配偶者は「働きたくても働けない」状態に置かれる。日本では当たり前にあった「仕事という役割」「職場という居場所」が一気に失われる。

孤立が深まるパターン

典型的なのはこういう構造だ。子どもがいない場合、平日の昼間は完全に一人。パートナーは会社に行き、知人は日本にいる。コンドミニアムのプールサイドに座っていても、周りはフィリピン人のメイドや、韓国人・中国人の別の帯同配偶者たちで、なかなか話しかけるきっかけがない。

子どもがいれば保育園・学校のコミュニティに自然に溶け込める。でも子なし・無職の帯同配偶者は、意識的に動かないと社会から切り離された状態が続く。

実際に活用できるコミュニティ

JCCI(日本商工会議所)の家族向けイベント:文化イベントや料理教室など、日本人帯同配偶者向けのプログラムが定期的に開催されている。

Japanese Association Singapore(JAS):日本語図書館や日本語クラスを運営しており、同じ境遇の人と出会いやすい場所のひとつだ。

Meetupや語学交換:英語力向上を目的としたグループや、外国人コミュニティのMeetupは、英語圏の人たちとつながる接点になる。

ボランティア活動:就労はできなくてもボランティアは可能なケースが多い。Animal Concerns Research & Education Society(ACRES)や食料支援団体など、英語が話せれば参加できる場所はある。

「何者でもない」時間の使い方

在住日本人の帯同配偶者の中には、この時間を使って語学や資格の勉強に充てた人も多い。シンガポールは英語・中国語が飛び交う環境なので、語学学習の動機を作りやすい。

精神的に大事なのは、「毎日外に出る用事を一つ作る」こと。スーパーでの買い物でも、コーヒーショップで1時間過ごすことでも。完全に籠もる日が続くと、気力が落ちるのは環境に関係なく共通して起きる。

パートナーに「最近どうだった?」と聞かれたとき、何か一つ話せることがある。その積み重ねが、帯同生活を長続きさせる地味だが確実な方法だ。

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