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文化・社会構造の分析

カンポングラムとアラブストリート——イスラム文化がシンガポールの街に残る場所

オーチャードロードやマリーナベイとは別の顔を持つカンポングラム。スルタン・モスクを中心にアラブ系・マレー系文化が凝縮したエリアの歴史と現在の使い方を整理する。

2026-07-18
カンポングラムアラブストリートイスラム文化シンガポール

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ビーチロードからハジレーンに入ると、急に色が変わる。

ゴールドと黄色のドームを持つスルタン・モスクが空に映える。細い路地にはバティックのショップ、手工芸品の店、フルーツジュースのスタンドが並ぶ。通りの名前はアラビア語由来のものが多く、英語表記の下にジャウィ(マレー語のアラビア文字表記)が添えられている。

ここがカンポングラム。シンガポールの多民族史の中で、アラブ系・マレー系文化が最もはっきりと残る場所だ。

なぜここにイスラム文化の集積があるのか

植民地時代、英国のスタンフォード・ラッフルズが1822年に策定した都市計画で、民族ごとに居住エリアが割り当てられた。アラブ系・マレー系住民に割り当てられたのがこのカンポングラム地区だ。

アラブ系商人はオマーン・イエメン系の貿易業者が多く、スルタン(マレー系の王族)も近くに邸宅を構えた。スルタン・モスクは19世紀初頭に建設されたが、現在のドーム型の建物は1928年に再建されたものだ。

現在のカンポングラム

観光地化は進んでいるが、在住者にとっても使いやすいエリアだ。

スルタン・モスクはシンガポール最大のモスクで、礼拝時間以外は非イスラム教徒も入場できる。入口でローブを借りて肌を覆うドレスコードがある。内部の吹き抜けと光の入り方は美しく、訪れる価値がある場所だ。

ハジレーンはかつて修理店が並ぶ通りだったが、現在はカフェ・バー・アート系ショップが集まるヒップなストリートに転換している。夜は照明の演出があり、週末は若者で賑わう。

アラブストリート本通りはテキスタイル(布)の専門店が多く残っており、バティック布・シルク・手工芸品を探すなら今でもここが基点になる。

在住者の使い方

実用的な観点では、このエリアにはハラール認証のレストランが充実しており、マレー系・中東系・インド系の料理が食べられる場所として在住者に利用されている。特にラマダン期間の夜(イフタール後)は、屋台が立ち並び活気が増す。

アルコールを提供しないレストランが多いため、下戸の人やムスリムの同僚と食事に行くときの選択肢としても機能する。

観光スポットとしてだけでなく、「多民族都市を体感できる場所」として、シンガポールの日常の延長上にある場所だ。

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