バキット・ティマ自然保護区——都市国家の「肺」と在住者の散策
シンガポール中央部のバキット・ティマ自然保護区は赤道直下の熱帯雨林が残る場所。在住日本人がトレイルを楽しむコツと、近隣のリトル・ギルランを紹介します。
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シンガポールは「都市国家」というイメージが強いが、国土の約26%が公園や自然保護区として指定されている(Singapore National Parks Board調べ)。その中核がバキット・ティマ自然保護区(Bukit Timah Nature Reserve)だ。
バキット・ティマ自然保護区
面積は約163ヘクタール。規模としては小さいが、赤道直下の熱帯原生林が4,000種以上の植物、数百種の昆虫・鳥・爬虫類と共に残っている。シンガポール最高峰のバキット・ティマ丘(163m)がここにある。
無料で入場でき、山頂までのメインルートは往復約1〜1.5時間程度。整備されたトレイルが複数あり、ファミリーハイクから本格トレイルランニングまで使われている。週末の朝6〜9時は地元住民が多く、在住日本人も常連になっている人が珍しくない。
注意すべき点は気候だ。年間を通じて気温30〜35℃・湿度80%以上の環境で、日中は消耗が激しい。早朝か夕方以降の入山が推奨される。水は最低500ml以上持参するのが基本だ。
リトル・ギルラン(Hindhede Quarry)
バキット・ティマ保護区の隣、ヒンディー採石場跡地は「シンガポールのギルラン(桂林)」と呼ばれる撮影スポットになっている。かつての花崗岩採石場が長年をかけて緑に覆われ、垂直に切り立つ岩壁と水面が中国・桂林の景観を連想させるとして話題になった場所だ。
整備された展望エリアからの眺めはSNS映えも良く、週末の朝は撮影目的の訪問者で賑わう。入場は無料。
在住者の週末ルーティン
在住日本人の間では、バキット・ティマ周辺を早朝散策→近隣のカフェでブランチというルーティンを作っている人もいる。保護区入口付近の「The Grandstand」モールや、Clementi・Buona Vistaエリアのカフェがよく使われる。
都市のど真ん中でありながら自然音だけが聞こえる場所——シンガポールのこの側面は、在住年数が長くなるほど価値を感じるという声が多い。