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シンガポールのPRと市民権の違い——取得難易度・権利・兵役・日本国籍への影響
シンガポールのPR(永住権)と市民権の違いを徹底比較。権利の差・取得難易度・国家兵役義務・日本国籍放棄の必要性・日本人がPR止まりにする理由を解説。
2026-04-12
PR市民権永住権シンガポール国籍兵役
この記事の日本円換算は、1SGD≒115円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(SGD)の金額を基準にしてください。
シンガポールには「ここに根を下ろした」と感じながらもPR(永住権)止まりにしている日本人が多い。
理由は単純で、市民権を取得するには日本国籍を放棄しなければならないからだ。
PRと市民権の権利比較
| 項目 | EP保持者(外国人) | PR | 市民 |
|---|---|---|---|
| 在住継続の安定性 | ビザ更新次第 | REP(再入国許可証)更新が必要 | 無条件 |
| HDB(公団住宅)購入 | 不可 | 可(制限あり・5年待機) | 可(優先) |
| CPF | 加入義務なし | 加入義務あり | 加入義務あり |
| 公立学校の授業料 | 外国人料金 | PR料金(市民より高い) | 市民料金(最安) |
| 公立病院の補助 | 限定的 | 一部補助あり | 充実した補助 |
| 選挙権 | なし | なし | あり |
| 兵役(男性) | なし | PRの息子は対象になる場合あり | 男性全員対象(NS) |
| 国籍 | 国籍は変わらない | 国籍は変わらない | シンガポール国籍を取得(他国籍放棄) |
市民権取得に必要なこと
市民権の申請要件は公式に明確に定められていないが、一般的にはPR取得後2〜6年以上の在住が目安とされることが多い。
申請には:
- PR保持期間
- 在住年数
- シンガポールへの貢献(雇用・税務・コミュニティへの関与等)
等が総合的に考慮されるとされている。
そして市民権を取得した場合、シンガポールは二重国籍を認めていないため、他の国籍を放棄する必要がある。日本人の場合は日本国籍を失う。
日本人がPR止まりにする理由
日本国籍を失うことのデメリットは大きい:
- 日本のパスポートは査証免除国数が世界トップクラス。これを失うのは実務上のデメリットが大きい
- 帰国の選択肢を保持したい。シンガポールから日本に戻る可能性を残しておきたい
- 日本国内の相続・不動産:日本国籍がなくなると手続き上の影響がある場合がある
- アイデンティティ:精神的に「日本人である」ことを維持したい
結果として、「長年シンガポールに住んでいるがPR」という日本人が多い。
子どもの場合
PRの子どもがシンガポールで生まれた場合、市民とはならない(親がPRの場合)。ただしシンガポール市民との間に生まれた子どもは市民権を取得できる。
男性の場合、PRとしてシンガポールに在住し続けると国家兵役(NS: National Service)の対象になる可能性がある。市民権取得を選ぶと確実に対象になる。
市民権を選ぶ日本人もいる
一方で、シンガポールを「永住の地」と決め、市民権を取得する日本人もいる。特にシンガポール市民と婚姻している場合・家族がシンガポール人の場合・長期にわたりシンガポールを生活基盤としている場合に選ばれることが多い。
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