Kaigaijin
観光・エンタメ

ユニバーサル・スタジオ・シンガポールの観光経済——セントーサ戦略の中の位置づけ

ユニバーサル・スタジオ・シンガポール(USS)は東南アジア唯一のUSJです。その集客数・経済効果・競合するアトラクションとの関係を解説します。

2026-04-12
ユニバーサルスタジオ観光セントーサテーマパーク

この記事の日本円換算は、1SGD≒115円で計算しています(2026年4月時点)。

東南アジアにユニバーサル・スタジオは一カ所しかない。シンガポールのセントーサ島に2010年に開業したユニバーサル・スタジオ・シンガポール(USS)だ。東京USJの約10分の1程度の面積で、ライドの種類も少ない。それでも年間数百万人の来場者を集め続けている。

規模と集客数

USSの年間来場者数はコロナ前で約600〜700万人規模(推計)とされていた。これはUSJ大阪(1,400〜1,600万人)と比べると半分以下だが、東南アジア唯一という希少性が継続的な集客を支えている。

入場料は大人83SGD(約9,545円)程度(2025年時点)。周辺のセントーサ島施設(S.E.A.アクアリウム、アドベンチャーコーブウォーターパーク等)とのコンボチケットも展開している。

セントーサ島の経済設計における役割

USSを含むリゾート・ワールド・セントーサ(RWS)は、カジノ施設と一体のIR(統合リゾート)だ。USSはカジノと同じ敷地内にあり、家族連れがセントーサに来る理由を作る「アンカーテナント」として機能している。

家族旅行でUSSを目的にセントーサに来た人々が、滞在中にホテル・レストランで消費する——この設計がRWS全体の収益構造を支えている。USSが直接黒字かどうかよりも、島全体の集客エンジンとして機能することが評価の基準になっている。

競合と課題

2020年代に入り、USSの相対的な競争力への問いが浮上している。

マレーシアのレゴランドやスカイランドへのアクセスが容易になり、タイにも新しいテーマパーク施設が登場している。また、USSは米国・日本のUSJに比べてライドの更新が遅く、「コンテンツが古い」という声も聞かれる。

RWSは2025年以降の大規模リニューアルを発表しており、新ゾーンの追加やライドの更新を計画している。投資規模は60億SGD超(約6,900億円)で、2030年代の完成を目指している。

在住者・旅行者目線

シンガポール在住者の間では「USSは年に1〜2回子供と行くもの」という位置づけが一般的だ。高い入場料を考えると、地元ファミリーの頻繁な訪問には向いていない。

観光客には「東南アジアに来たついでに1日使う」という感覚で訪れる人が多い。東京USJと比べて規模は小さいが、待ち時間が短いという利点がある。週末は混雑するため、平日訪問が推奨される。

コメント

読み込み中...