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ビザ・就労

EP・SP・Sパス——シンガポール就労ビザ3種の現実的な違い

Employment Pass、S Pass、Work Permitの違いを在住者目線で解説。年収条件・申請難易度・家族帯同・PR申請への影響まで実態をまとめました。

2026-04-14
EPSパス就労ビザ移住シンガポール

この記事の日本円換算は、1SGD≒115円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(SGD)の金額を基準にしてください。

シンガポールで働くための就労ビザは、給与水準と職種によって3つに分かれています。自分がどのカテゴリに当たるかを理解しておくと、転職・PR申請・家族帯同の判断が格段にしやすくなります。

Employment Pass(EP)——専門職向けの上位ビザ

EPはシンガポールの就労ビザの中で最上位に位置します。対象は管理職・専門職・技術職です。

2024年9月以降、EPの最低月給要件は5,000SGD(約575,000円)以上。ただし金融セクターは5,500SGD以上が必要です。さらに、人材省(MOM)はComplementarity Assessment Framework(COMPASS)というスコアリングシステムを2023年9月に導入しており、個人スコアと企業スコアの合計40点以上が必要です。

出典: Ministry of Manpower Singapore(https://www.mom.gov.sg/)

EPの主なメリットは3つあります。

  • 家族帯同(配偶者のDP・子どものLTVP)の申請資格がある
  • 無制限の勤務先変更(ビザは会社に紐づくが、転職ごとに申請し直す)
  • PR申請の主要ルートになる

逆に、EPホルダーでも採用が難しくなっているケースがあります。CONPASSの導入以降、外国人採用を「シンガポール人雇用への代替」と見なされないよう、企業側も採用の根拠を示す必要が出てきました。

S Pass——中間層向けのビザ

S PassはEPとWork Permitの中間に位置し、技術職・準専門職向けです。

2024年9月以降の最低月給要件は3,150SGD(約362,250円)以上。金融セクターは3,650SGD以上。

S Passには「割当(クォータ)」制度があります。企業が雇用できるSパス保持者の比率は業種によって決まっており、製造業では従業員の15%まで、サービス業では10%まで、といった上限があります(2024年時点)。会社の規模によっては採用枠がすでに埋まっているケースもあります。

家族帯同については、月給6,000SGD(約690,000円)以上の場合のみ配偶者のDPが申請可能です。EPと比べると制約が大きい部分です。

Work Permit——製造・建設・サービス業向け

Work Permitはシンガポールで最も数の多い就労許可証で、製造業・建設業・海運・家事サービスを対象としています。

日本人でこのカテゴリに該当するケースは多くありませんが、料理人や技術職で来る場合には当てはまることがあります。Work Permitには家族帯同の権利はなく、PR申請のルートとしても難易度が高い。

PR申請への影響

PR(永住権)の申請資格はEP・S Passともに持てますが、審査には実質的な差があります。

MOMの公開データによれば、PRの承認率は非公表ですが、在住コミュニティでの経験談では、EP保持者の方が承認されやすいという声が多いです。在住年数・納税額・配偶者・子どもの有無なども審査に影響します。

自分がどのビザカテゴリに入るかは、入社前の交渉でも意識しておく価値があります。給与水準が5,000SGDに届くかどうかは、単に手取りの問題だけでなく、長期的な滞在計画に直結します。

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