タイのゾウと「倫理的な観光」——どこが本物のサンクチュアリか見分ける方法
タイのゾウ観光は「倫理的」と謳う施設が増えた。しかしその基準は曖昧だ。本当にゾウの福祉を優先している施設とそうでない施設の違いと、在住者・旅行者が確認すべき点を整理する。
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「エレファント・サンクチュアリ(ゾウ保護施設)」という名称を使う施設がタイに急増した。特にチェンマイ周辺に多い。
しかし「サンクチュアリ」という名前が、ゾウの福祉を保証するわけではない。
何が問題なのか
タイのゾウ観光の歴史はトレッキング(乗象)が中心だった。ゾウを「乗れる動物」に調教する過程には「パジャーン(phajaan)」と呼ばれる調教が含まれており、これはゾウに苦痛を与えて従順にするとされる手法だ。
こうした慣行が批判されるようになり、「ゾウに乗らない」「ゾウを触らない」「ゾウと一緒に歩く・餌をあげるだけ」という施設が「倫理的」として台頭してきた。しかしその実態は施設によって大きく異なる。
本物と偽物を見分けるチェックポイント
ゾウの数と土地の広さ:ゾウが自由に動き回れるだけの土地があるか。観光客が多く来る施設でゾウがつながれている時間が長い場合は要注意。
ゾウの行動:自然な行動(泥浴び・草食み・ゾウ同士の触れ合い)をしているか。餌付けショーや「お座り」などの演技を求めている場合はトレーニングの存在を疑う余地がある。
観光客数の制限:本当にゾウのストレスを考えているなら1日あたりの来場者数を制限しているはずだ。安い価格で大人数を受け入れる施設は収益優先の可能性が高い。
チェーンの有無:施設内でゾウがつながれていないか。夜間だけであっても長時間のチェーンは福祉基準として問題がある。
チェンマイ周辺の選択肢
チェンマイ周辺には複数のゾウ施設があり、一日体験の費用はTHB 1,500〜4,000(6,450〜17,200円)程度が相場(推定)。価格が高いから良いとは限らないが、長年にわたって評判を維持している施設の方が信頼性は高い傾向がある。
旅行者レビューサイト(TripAdvisor等)の直近レビューを複数確認し、動物福祉の観点での評価を見ること。写真や動画で施設の実態を確認することも有効だ。
在住者の視点
バンコクに住む外国人が週末にチェンマイへ行くとき、「ゾウに会いに行く」は定番の選択肢だ。どこに行くかを少し調べるだけで、ゾウへの影響は大きく変わる。
「タイに来てゾウに触った」経験の前に、自分が何に対してお金を払うのかを10分考える機会があるといい。