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ゾウと観光の関係——「倫理的な象との触れ合い」を見分ける方法

タイのゾウ観光は、乗るタイプのショーから倫理的なサンクチュアリまで様々。観光客が知らずに「虐待」に加担しているケースも。正しい選択のための見分け方を解説します。

2026-06-30
ゾウエコツーリズム動物倫理

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タイのゾウ観光の写真をSNSに上げると「かわいい!」とコメントが来る。ゾウに乗り、ゾウと水遊びをし、ゾウに絵を描かせる——ビジュアルとしては素晴らしい。

しかしその体験が、どんな方法でゾウを「人に慣れさせた」か、を知ったとき、感想が変わることがある。

ゾウが「芸」をする仕組み

ゾウは野生では絵を描かない。サッカーボールを蹴らない。人を乗せて歩くこともしない。

これらを学習させるためには、長い訓練期間と、動物福祉の観点から問題視される調教法が使われてきた歴史がある。「パジャン」と呼ばれる服従訓練は、若い象を隔離し、身体的な拘束・刺激を通じて人間への従順さを植え付けるものとして批判されてきた。

全てのゾウ観光が虐待につながっているわけではないが、「観光用の芸をするゾウ」の背後には確認すべき問いがある。

倫理的なサンクチュアリの特徴

「象のサンクチュアリ」と名乗る施設は増えているが、全てが倫理的とは言えない。見分けるためのポイントがある。

倫理的なサンクチュアリの特徴(目安)

  • 象に乗ることができない
  • 金属の釘がついた棒(フック/アンクス)を使わない
  • 象が自由に移動できる広い敷地がある
  • 象の個体ごとの救出経緯・健康状態が公開されている

注意が必要なケース

  • 象乗り(トレッキング)を提供している
  • 象が絵を描く・サッカーをするなどのショーがある
  • 象同士が鎖でつながれている

チェンマイ近郊には複数のサンクチュアリがあり、「Elephant Nature Park」は動物福祉に積極的に取り組む施設として国際的に知られている(詳細は公式サイトで確認を)。

タイとゾウの歴史的な関係

タイではゾウは「国家の象徴」であり、かつては戦争・農業・運輸に使われてきた。

20世紀後半に農業・林業の機械化が進み、働き場を失ったゾウと「マホート(象使い)」が都市の物乞いとして現れる時代があった。観光産業がその「受け皿」になった側面がある。

ゾウ観光が倫理的問題を抱えているとしても、それを一方的に否定するだけではマホートの生計とゾウの生存が困難になるという矛盾もある。問題を知りながら、関わり方を考えることが必要だ。

旅行者としての選択

タイでゾウに会いたい場合、以下の順序で選択を考えると整理しやすい。

  1. 象乗り・ショーのある施設は避ける
  2. 動物福祉を明示的に打ち出している施設を選ぶ
  3. 訪問前に施設のウェブサイトで方針・評判を確認する

「楽しい体験」と「倫理的な選択」は両立できる。サンクチュアリでゾウの横に立って一緒に川で水を浴びる体験は、象乗りよりも強く心に残ることがある。

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