Kaigaijin
税金・法律

タイ在住者の日本確定申告——日泰租税条約とLTRビザの特例

タイ在住日本人に特有の税務問題。1980年発効の日泰租税条約、LTRビザ保持者の外国所得非課税の特例、タイ源泉給与の日本での扱い。

2026-04-12
確定申告租税条約タイLTRビザ非居住者税金

この記事の日本円換算は、1THB≒4.4円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(THB)の金額を基準にしてください。

海外在住者の日本確定申告の基本(非居住者の定義・申告が必要なケース・e-Taxの使い方)は日本確定申告ガイド(全国共通)を参照してください。この記事ではタイ固有の情報を扱います。

日泰租税条約(1980年発効)

日本とタイの間には1980年に発効した租税条約がある。この条約により、タイ居住者がタイ源泉で得た給与所得は日本で非課税となる(日本の非居住者の場合)。

タイ企業に雇用されタイで勤務した給与は、日本では原則として申告不要だ。ただし「タイ源泉」であることが要件であり、日本法人から立替払いで給与が出る形になっている場合は別途確認が必要。

LTRビザ保持者の外国所得非課税特例

2022年に導入されたLTR(Long-Term Resident)ビザは、税優遇が付いている。LTRビザ保持者は、タイ国外で稼いだ所得をタイ国内に送金した場合でも、タイでの課税対象にならないという特例がある。

通常、タイでは居住者が海外所得を同年内にタイに送金した場合は課税対象になるが、LTRビザではこの規則が免除される。富裕層・リモートワーカーを引き付けるための制度設計だ。

ただしこの特例はタイ国内での課税の話であり、日本の課税関係(非居住者判定・国内源泉所得への課税)は別途判断される。

タイでの確定申告義務

タイ居住者(1年に180日以上滞在)はタイでも所得税の申告義務がある。毎年1〜3月が申告期間。雇用主が源泉徴収している場合も、確定申告(PND 91)の提出が原則必要。

タイの所得税率は累進課税で最大35%。ただし各種控除が充実しており(配偶者控除・生命保険料控除等)、実効税率は低くなるケースが多い。

国外転出届の重要性

タイに移住する際に日本で転出届を出しておくことで、非居住者認定が明確になる。届出を出さずに事実上の非居住状態が続くと、後から居住者と認定されるリスクがある。出国時の手続きは早めに済ませておきたい。

コメント

読み込み中...