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タイで外国人が土地・家を持てるか——法律上の現実

タイ民法上、外国人は原則として土地を所有できません。コンドミニアム購入・土地リース・タイ法人経由という選択肢の実態と、在住者が知っておくべき法的リスクを解説します。

2026-04-20
不動産土地所有コンドミニアム法律移住

この記事の日本円換算は、1THB≒4.3円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(THB)の金額を基準にしてください。

「タイで家を買った」という話を聞いたとき、その「家」が何を指しているかによって意味が全く変わる。コンドミニアムの一室なのか、土地付き戸建てなのか。外国人がタイで不動産を持てるかどうかは、この区別を理解してからでないと判断できない。

原則:外国人は土地を所有できない

タイ土地法(Land Code B.E. 2497)の定めにより、外国人は原則としてタイ国内の土地を所有できない。これは法律上の明確な制限だ。土地はタイ国籍者または許可を得たタイ法人のみが所有権を持てる。

「でも外国人が家を持っているのを見たことがある」という疑問はもっともだ。それは以下の方法のどれかで対応している場合がほとんどだ。

選択肢1: コンドミニアム(区分所有)

これが唯一、外国人が「所有権」を持てる不動産だ。コンドミニアム法(Condominium Act)により、外国人はビル全体の49%を上限として、コンドミニアムの一室を直接所有できる。

条件として、購入資金を外国から送金すること(Foreign Exchange Transaction Form)の書類が必要となる。バンコクでは1ベッドルームのコンドミニアムが200万〜500万THB(約860万〜2,150万円)程度から。高級エリアのプロンポンやトンロー周辺は500万THB超が当たり前だ。

購入後は売却も可能。ただし購入時と同様に外貨で資金を移動する必要があり、売却益の送金にも手続きが必要になる。

選択肢2: 30年リース(最長90年)

土地や戸建ての住宅を「使う」方法として、長期リース契約がある。最初の30年リースに加え、30年を2回延長する特約をつければ合計90年まで延ばせる。ただし延長の効力は法律上不確かな部分があり、最初の30年満了後に延長が実際に機能するかはケースバイケースだという見解もある。

「30+30+30年の90年リース」というのは制度として存在するが、延長部分の法的拘束力が完全に保証されているわけではない、というのが弁護士の間での一般的な理解だ。

選択肢3: タイ法人経由での土地保有

外国人がタイ法人を設立し、その法人名義で土地を所有するという方法も使われてきた。法律上、法人が土地を保有するのは可能だ。

ただし、この方法はリスクを伴う。「外国人が土地を保有するためだけに法人を作る」行為は脱法的とみなされ、土地局が審査を強化している。見せかけのタイ人株主(nominee shareholders)を使う構造は違法であり、摘発事例もある。

結論として在住者が取れる現実的な行動

長期在住予定でタイに根を張りたい場合、以下が現時点での現実的な選択だ。

  • コンドミニアム購入:唯一の所有権取得方法。賃貸と比較したコスト計算を行った上で判断。
  • 長期リース(30年):土地付き住宅を求めるならリース。弁護士を通じた契約書の精査が必須。
  • 賃貸継続:法的な複雑さを避けつつ柔軟性を保つならこれが最も安全。

どの選択肢もリスクを含む。タイ不動産に詳しい日本語対応の弁護士または不動産専門家に相談した上で決定することを強くすすめる。

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