タイ国立公園の外国人料金——二重価格制度の現実と観光vs在住の視点
タイの国立公園は外国人と国内居住者で入場料が異なります。アオナン・コサメット・ドイインタノンなど人気スポットでの実際の差額と、在住者が知っておくべき対応策を解説します。
この記事の日本円換算は、1THB≒4.3円で計算しています(2026年4月時点)。
タイの国立公園に入ろうとして、入場料の看板に「Thai 20THB / Foreigner 200THB」という表示を見たことがある人は多いだろう。同じ場所に入るのに10倍の差。これがタイの二重価格制度の実態だ。
法的な根拠
タイの国立公園料金は国立公園・野生生物・植物保全局(DNP)が管理しており、タイ人と外国人で異なる料金を設定することは法的に認められている。外国人向けの価格はタイ人のおよそ5〜10倍が一般的だ。
主要スポットの例(2025年時点の概算):
| 場所 | タイ人 | 外国人 |
|---|---|---|
| ドイインタノン(タイ最高峰) | 40〜100THB | 300〜600THB(約1,290〜2,580円) |
| コサメット島 | 20〜30THB | 200〜300THB(約860〜1,290円) |
| カオソック国立公園 | 300THB | 300THB(一部は同料金) |
| エラワン国立公園 | 20THB | 300THB(約860〜1,290円) |
コサメットは特に有名で、「日帰りで行ったら入場だけで300THBかかった」という話はよく聞く。
在住者(外国人)への適用
残念ながら、長期在住の外国人であっても国立公園の料金上は「外国人」扱いが基本だ。タイの長期滞在ビザ(LTR、ノンイミグラントOA/OB等)やワークパーミットを持っていても、入場料は外国人料金が適用されるケースが多い。
一部の公園では、ワークパーミットやタイの居住証明書を提示すると料金が変わる事例も報告されているが、窓口や担当者によって対応が異なるため確実ではない。
旅行者と在住者の視点の違い
旅行者にとって、1〜2日の観光で数百THBの差額は許容範囲と感じることが多い。一方、在住者が「週末の散歩先として国立公園を使いたい」場合、この差額は体験を変える。
バンコク近郊のカオヤイ国立公園は週末にゲートが長蛇の列になるが、外国人が多いエリアで観光客と同じ料金を毎回払い続けることに疲れを感じる在住者もいる。
実際の対応策
- タイ人の友人・パートナーと同行する:入場カウンターで一緒にタイ語で話してもらうことで交渉が通ることもある(保証はない)
- 民間管理エリアを選ぶ:国立公園内の有料アクティビティ(ラフティング、ガイドツアー等)は一般に一律料金のことが多い
- 入場料が不要・低価格の自然スポットを探す:タイには国立公園以外の森林・山岳エリアも多い
「不公平」感とのつきあい方
二重価格制度はタイ人の国民所得と外国人の所得格差を根拠にしている。GDPや平均賃金の差を考えると経済的な合理性はある一方、長年タイに住み納税もしている外国人にとって「ここでも外国人か」という体験は少なくない。
大きな差額が生じる場所ほど、事前に料金を確認してから出かけるのが時間と気持ちの無駄を省く方法だ。