タイで退職後に暮らす——パタヤ・チェンマイ・バンコクの月額生活費比較
タイへの退職移住は日本人に人気の選択肢だ。リタイアメントビザ(OA)の条件、パタヤ・チェンマイ・バンコクそれぞれの月の生活費実態、医療リスクへの備えを整理する。
この記事の日本円換算は、1THB≒4.3円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
「タイで老後を過ごす」は、日本の年金だけで生活できる場所を探す発想から始まることが多い。
日本の国民年金(満額で月約6〜7万円程度)でタイで生活できるかという問いに対して、「できるエリアがある」が正直な答えだ。ただし、それが「快適かどうか」はまた別の話だ。
リタイアメントビザ(OA)の条件
タイのリタイアメントビザ(Non-Immigrant OA)の主な条件は以下だ:
- 50歳以上
- タイの指定銀行口座にTHB 800,000(344万円)以上の残高 または 月収THB 65,000(27万9,500円)以上の証明 または 組み合わせ
1年ごとの更新が必要で、更新時に残高を証明する必要がある。また、医療保険(一定の補償額以上)の加入が義務化されている。
都市別の生活費感
パタヤ:海岸リゾートエリア。外国人リタイア組が多く集まり、英語対応の店・外国語メニューの飲食店が多い。家賃は1ベッドルームのコンドでTHB 8,000〜15,000(34,400〜64,500円)/月程度が多い(推定)。外国人向けの「リタイアコミュニティ」が形成されており、日本人の老後グループも存在する。
チェンマイ:涼しい山地の都市で、芸術・文化・自然環境が豊か。家賃は同程度でパタヤより穏やかな雰囲気がある。医療施設も充実している(チアンマイ・ラム病院等)。PM2.5問題(2〜4月)が年1回の弱点。
バンコク:都市生活の利便性は最高だが家賃・生活費が一番かかる。月の総生活費はTHB 35,000〜60,000(150,500〜258,000円)程度になることが多い(推定)。
医療リスクの備え
タイでの退職生活で最大のリスクは医療費だ。タイの私立病院は質が高いが、長期入院・手術が必要になると数十万〜数百万円になることもある(推定)。OAビザに必須の医療保険に加え、十分な補償額の保険選択が重要だ。
また、日本の国民健康保険・介護保険は「海外居住中」には基本的に使えないため、日本に帰国して治療を受けるコストも試算しておく必要がある。
タイへの退職移住は「安く暮らせる」という面だけでなく、「老後に何が起きたときにどう備えるか」という視点が同時に必要だ。