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ビザ・在留資格

タイのリタイアメントビザ(OA)——50歳以上が月20万円以下で暮らす選択肢

タイのNon-Immigrant Visa OA(リタイアメントビザ)の取得条件・財政証明・更新手続きを解説。チェンマイ・パタヤでの生活費実態と合わせて、老後のタイ移住を検討する人向けに整理。

2026-04-15
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この記事の日本円換算は、1THB≒4.3円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(THB)の金額を基準にしてください。

「タイで老後を」という話が現実になってきた。月15〜20万円の年金収入があれば、チェンマイやパタヤでそれなりに快適に暮らせる。その前提となるリタイアメントビザ(Non-Immigrant Visa OA)の条件と手続きを整理する。

OAビザの基本条件

タイのリタイアメントビザは**Non-Immigrant Visa OA(Long Stay)**という名称で、以下が主な取得条件だ(出典:タイ移民局公式サイト)。

  • 年齢: 50歳以上(申請時)
  • 犯罪歴: タイ国内・出身国での犯罪歴がないこと
  • 健康保険: タイの保険会社または外国の保険会社による医療保険加入(入院補償4万THB以上・外来補償3万THB以上)

これに加えて財政証明が必要になる。

財政証明の2つのルート

財政的な条件は2つのルートから選べる。

ルート1: 銀行預金証明 タイの銀行口座に80万THB(約344万円)以上の残高があること。預金証明は口座開設から2ヶ月以上経過したもので、申請前に発行する。

ルート2: 月収証明 月6.5万THB(約28万円)以上の収入証明(年金証明書・給与明細等)。日本の年金額によってはこちらで対応できる場合がある。

ルート3: 預金+収入の合算 上記2つを組み合わせて、合算額が80万THB相当になれば可とされるケースもある(イミグレによって判断が異なるため、申請先で確認を)。

80万THBは日本円で300万円を超える。「退職後の貯蓄でタイへ」というシナリオなら、この条件はそれほど高いハードルではないが、現金をタイの口座に移す手続きに時間がかかる点は要注意だ。

有効期間と更新

OAビザはタイ国外(日本の在タイ大使館または在タイ日本大使館)で申請する1年間の期限付きビザとして発給される。

タイ入国後は**90日ごとに住所報告(90-day reporting)**が必要。これを怠ると罰金(5,000THB)が課される。

年1回の更新(Extension of Stay): 毎年、タイ国内のイミグレーションオフィスで在留延長申請をする。そのたびに銀行残高証明(80万THB)か収入証明が必要になる。延長料金は1,900THBだ(出典:タイ移民局)。

「毎年書類を揃えて並ぶ」という手間がある。チェンマイやパタヤには日本人コミュニティ向けの入管申請サポート業者が複数あり、代行手数料は2,000〜5,000THB程度が相場とされる(要確認)。

チェンマイの生活費

タイ移住先として最も人気が高い都市の一つがチェンマイ(北部)。バンコクより物価が低く、自然も近い。

チェンマイの月額生活費目安(外国人・一人暮らし):

項目月額(THB)月額(円換算)
賃貸(コンドミニアム1BR)8,000〜15,000約3.4万〜6.5万円
食費(ローカル中心)6,000〜10,000約2.6万〜4.3万円
光熱費(冷房使用)2,000〜4,000約8,600〜1.7万円
交通費(バイク・Grab等)2,000〜4,000約8,600〜1.7万円
その他(娯楽・通信等)3,000〜6,000約1.3万〜2.6万円
合計目安21,000〜39,000約9万〜17万円

日本食や飲酒を楽しむ、エアコン常時使用、車を所有するといった生活スタイルなら上振れする。逆にローカルフード中心・バイク移動なら月10万円以下でも生活できる水準だ。

パタヤの生活費

パタヤ(バンコクから南東へ約150km)はビーチリゾートとして知られるが、長期在住の外国人も多い。チェンマイとは生活スタイルが異なる。

  • 賃貸: 10,000〜20,000THB/月(コンドミニアム1BR、ビーチエリア)
  • 食費: ローカル〜日本食のバランスで8,000〜15,000THB/月
  • 娯楽・交際費: チェンマイより上振れしやすい(バーやゴルフ場が多い)

全体的にチェンマイよりやや高めだが、月20万円以内で生活できる水準は変わらない。

健康保険の選び方

OAビザ取得に必要な健康保険は、タイ保険局(OIC)が認可した保険会社の商品でなければならない。日本の海外旅行保険では対応できないケースが多い。

タイの保険会社(Pacific Cross、AXA Thailand等)が提供するロングステイ向けプランは年間2〜5万THB(約8.6万〜21.5万円)程度が目安(要確認)。年齢・健康状態によって保険料が大きく変わるため、複数社を比較することを勧める。

日本での持病・既往症がある場合、加入を断られるか高額になることがある。保険探しは早めに動くべき理由の一つだ。

日本から申請する場合の流れ

  1. 日本の指定銀行でタイ口座の事前準備(現地口座がない場合は着後に開設)
  2. 日本のタイ大使館・総領事館でOAビザ申請
  3. 必要書類:パスポート・申請書・証明写真・犯罪歴のなさを証明する書類(警察証明)・健康診断書・保険加入証明・財政証明
  4. タイ入国後、90日以内にイミグレに住所報告
  5. 1年後に在留延長申請(Extension of Stay)

警察証明は申請前3ヶ月以内のものが求められる場合が多い(居住地の警察署で発行)。健康診断書も指定書式がある場合があるため、申請先の大使館・総領事館で書式を事前確認すること。

リタイアメントビザの注意点

タイのビザ制度は変更されることがある。2019年以降、健康保険の加入が義務化されたように、条件が追加・変更されるケースがある。申請前には必ずタイ移民局公式サイト(www.immigration.go.th)か最寄りのタイ大使館で最新情報を確認してほしい。

「タイで老後」の現実は、医療水準の整備・日本語コミュニティの充実・生活費の低さという点でかつてより魅力的になっている。一方で、毎年の更新手続きと健康状態の変化(特に70代以降)への備えは、計画段階から考えておくべき要素だ。

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