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ソイ31の隣がソイ33——バンコクの住所が解読できない理由

バンコクの住所は規則的に見えて迷う。ソイ(路地)の番号がなぜ飛ぶのか、奇数偶数で道が分かれる仕組みを理解すると、街の歩き方が変わる。

2026-08-08
住所ソイ地理バンコクタイ

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バンコクで「スクンビット・ソイ31」を探したのに、目の前にあるのは「ソイ33」と「ソイ29」で、31がどこにも見当たらない——そんな経験は在住者なら一度はある。タイの住所は無秩序に見えて、実は一つの論理で動いている。

ソイは大通りから枝分かれする路地

タイの住所の基本は、大通り(タノン)と、そこから伸びる路地(ソイ)の組み合わせだ。大通りに沿ってソイが順番に番号を振られていく。ソイの中にさらに小さな路地(ヨーク)が枝分かれすることもある。

ここまでは整然としている。問題は番号の振られ方だ。多くの大通りでは、片側が奇数のソイ、反対側が偶数のソイになっている。だから「ソイ31」を探すなら、まず通りのどちら側かを見定めないと、永遠に逆側を歩くことになる。

番号が飛ぶのは時間の地層

ソイ31の隣がソイ33とは限らず、ソイ31/1のような枝番が挟まることもある。番号が飛んだり枝分かれしたりするのは、街が時間をかけて開発されてきた痕跡だ。

最初に大きなソイが整備され、後から間の土地が分割されて新しい路地ができる。すると既存の番号の間に枝番が差し込まれる。番号の不規則さは、その場所がいつ・どう開発されたかの地層になっている。整然とした計画都市ではなく、増築を重ねた街だからこその複雑さだ。

配達アプリが住所を上書きした

この複雑な住所システムを、フードデリバリーや配車アプリのGPSがかなり無力化した。番号を読み解けなくても、ピンを落とせば運転手がたどり着く。住所という文字情報より、地図上の点が実用の主役になった。

それでも完全には消えない。建物の入口がソイのどこにあるか、車が入れる幅か、一方通行か——こうした路地の事情は、地図だけでは読めない。長く住むほど、ソイごとの癖が体に入ってくる。

住所を読むと街の歴史が読める

ソイの番号の飛び方、奇数偶数の配置、枝番の多さ。これらは単なる不便ではなく、バンコクがどう膨張してきたかの記録だ。住所を「解読すべき暗号」ではなく「都市の年輪」として眺めると、迷うことすら少し面白くなる。

新しい街区へ行くときは、まず大通りのどちら側にいるかを確認する。それだけで、奇数偶数の罠にはまる確率はかなり下がる。

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