タイ料理は健康的か——油・砂糖・塩の実態と「健康食」神話の検証
「タイ料理はヘルシー」というイメージを数字で検証。タイ式料理の油・砂糖・ナトリウム量と、在住者が注意すべき食生活のポイント。
この記事の日本円換算は、1THB≒4.4円で計算しています(2026年4月時点)。
「タイ料理はヘルシーでいい」とよく言われます。野菜が多く、ハーブを多用する。確かにその側面はあります。ただ、バンコクで毎日屋台飯を食べている在住者の中には、「なぜか太った」「血糖値が上がった」という声もよく聞きます。
タイ料理の「見えない糖分」
タイ料理の特徴の一つが「甘さ」です。パッタイ、グリーンカレー、ガパオライス——多くの定番料理にパームシュガーやナンプラー(砂糖分を含む)が入っています。
屋台のパッタイ(1食50〜70THB)のカロリーと糖質を調べた研究(タイ栄養士協会の調査を含む)では、1皿に含まれる糖質が50〜80gに及ぶケースがあるとされています。これは白米1膳(約55g)に相当するか超える量です。
料理に加えて、タイ式の飲み物(オレンジジュース、チャイエン、タイミルクティー)の砂糖量は衝撃的なレベルで、1杯に砂糖10〜15g以上が入っていることがあります。「砂糖少なめ(ワーン・ノイ)」で注文する選択肢はあり、在住者の多くは使っています。
油と揚げ物の構造
タイ料理のもう一つの特徴は、炒め料理・揚げ料理の多さです。ガパオ炒め、パッシーイュウ(太麺炒め)、揚げ春巻き——これらは屋台の定番ですが、使われる油量は多い。
バンコクの屋台では主にパーム油が使われており、飽和脂肪酸の含有量が高い。「野菜が多い炒め料理」でも、油量によってカロリーは大幅に変わります。
タイ人の糖尿病・肥満問題
タイ保健省のデータによると、タイ成人の糖尿病有病率は約8〜10%(2020年代の推計)で、アジア各国の中でも高い水準にあります。肥満率(BMI25以上)も増加傾向で、「屋台文化=健康」という図式は必ずしも成立しません。
食の近代化(コンビニ・ファストフードの普及)も重なり、都市部のタイ人の食生活は確実に変化しています。
在住者の食生活でよくある問題
バンコク在住の日本人がよく経験するのが、「最初の数ヶ月で体重が増えた」です。屋台が安くておいしいので食べる量が増える、糖分・塩分の摂取が増える、運動量が減る(暑くて外に出ない)——この三重苦が重なりやすい。
体重管理をしたい場合:
- カオ(ご飯)少なめ(カオ・ノイ)で注文
- 飲み物は砂糖なし(マイ・ワーン)か水
- 葉物野菜の多い料理(野菜炒め、スープ系)を選ぶ
- セブンイレブンのサラダやスタームのヘルシーラインを活用
タイ料理が健康的かどうかは、何をどう選ぶかで全く変わります。「タイにいるから健康になる」という思い込みは捨てて、自分の食の選択を意識するのが長期在住のコツの一つです。