ソンクランの現実——水かけ祭りと在住者の過ごし方
タイの正月「ソンクラン」は観光ガイドとは別の顔を持っています。在住者が実際にどう過ごすか、交通事故件数の実態、旅行者が知っておくべきことをまとめました。
この記事の日本円換算は、1THB≒4.3円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(THB)の金額を基準にしてください。
「ソンクランは楽しそう」と思って来たら、スコンビット通りが戦場のようになっていた——初めて経験した在住者の多くが口にする感想です。楽しいのは確かですが、知らないと困る現実もあります。
ソンクランとは何か
ソンクランはタイの旧正月で、毎年4月13〜15日が公式祝日です。2026年は4月13日(月)〜15日(水)が祝日扱いで、前後の週末を含めると事実上6〜7日間の連休になります。
もともとは仏教寺院でのお清めと年長者への敬意(手に水をかける儀式)が起源です。近代以降、観光化が進みスラシャック通りやシーロム通りでは水鉄砲と水バケツが飛び交う祭りとして定着しました。
交通事故件数——「危険な7日間」の実態
タイ政府が毎年発表する「危険な7日間(Seven Dangerous Days)」のデータを見ると、ソンクラン期間中の交通事故死者数は年間300〜400人規模です。
2024年のソンクラン期間(7日間集計)では、死者数302人・負傷者2,847人を記録しています(出典: 道路安全センター、タイ政府)。飲酒運転が主因の一つで、全事故の約40〜50%が飲酒絡みとされています。
在住者の多くはこの期間、長距離バイクや自家用車での地方移動を避けます。特に北部(チェンマイ方面)への国道は混雑と飲酒運転のリスクが重なる時期です。
バンコク在住者の過ごし方
バンコク在住の日本人がソンクランをどう過ごすか、おおよそ3パターンに分かれます。
① 外に出て楽しむ: シーロム・シラヤ通り、スラシャック通りのイベントゾーンに参加。スマホは完全防水ケースに入れ、びしょ濡れ前提の格好で行く。外出時はサンダル+着替え持参が基本です。水鉄砲は屋台で50〜200THB(約215〜860円)程度で購入できます
② 国内旅行: ソンクランを避けてパタヤやホアヒンに移動する人も多い。ただし観光地もそれなりに混雑します
③ 自宅で過ごす・海外脱出: 静かに休みたい派は、あえてこの期間に日本一時帰国や東南アジア旅行を組む。バンコクの街中がピーク混雑を避けたい場合の選択肢です
旅行者として来るなら知っておくこと
ソンクランを目的に旅行するなら4月13〜15日がメインです。ただし航空券とホテルは2〜3ヶ月前から値段が跳ね上がります。2026年は4月13日が月曜のため、前週末(11〜12日)から人が集まり始めます。
濡れる前提の荷物管理が必須です。パスポートは防水バッグにしまう、スマホは必ず防水ケース(現地で100〜200THBで売っている)を使う。
一方、水かけゾーンは特定のエリアに集中しています。チットロム〜アソーク周辺の大通りから外れた路地や、高架を渡ったショッピングモール内は濡れません。疲れたら逃げ込む場所として把握しておくと楽です。
寺院でのオリジナルの儀式
観光地化された水かけとは別に、本来のソンクランを体験したい場合は近所の寺院(ワット)に足を運ぶ選択肢があります。仏像に水をかけてお清めをする儀式や、砂の仏塔(砂塔)を作る慣習が残っており、地域の人と一緒に参加できる場です。
バンコクであればワット・プラケオ(王宮前寺院)周辺でも儀式が行われますが、観光客が多いため、近所の小さな寺院の方が地域の雰囲気を感じやすいという声があります。