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台湾の銀行口座開設ガイド——居留証がなくても「統一證號」があれば口座は作れる

台湾で銀行口座を開設する方法を、居留証(ARC)保持者・ワーホリ・留学生のケース別に解説。中國信託・玉山銀行・國泰世華・台北富邦の特徴比較、手数料、海外送金、モバイルバンキングまで。

2026-03-30
銀行口座中國信託玉山銀行國泰世華送金

この記事の日本円換算は、1TWD≒4.8円で計算しています(2026年3月時点)。為替は変動するので、現地通貨(TWD)の金額を基準にしてください。

台湾で生活を始めるなら、現地の銀行口座はほぼ必須になる。給料の受け取り、家賃の振込、公共料金の支払い——どれも銀行口座がないと始まらない。

「居留証がないと口座は作れないのでは?」と思うかもしれないが、実はそうとも限らない。居留証(ARC)がなくても「統一證號」を取得すれば口座開設できる銀行はある。郵便局(中華郵政)という選択肢もある。

この記事では、台湾で口座を開設するために必要な書類・手順と、主要銀行の特徴、手数料、海外送金、モバイルバンキング事情までをまとめた。

台湾の主要銀行——外国人が使いやすいのはどこか

台湾には銀行が約40行ある。全てが外国人の口座開設に積極的なわけではないが、以下の銀行は外国人の利用実績が多く、比較的スムーズに手続きが進む。

中國信託商業銀行(CTBC Bank)

台湾最大級の民間銀行。全国のセブンイレブンに提携ATMがあり、ATMの台数では他行を圧倒している。コンビニでいつでも引き出せる利便性は、生活する上でかなり大きい。

オンラインバンキングの操作性も良く、英語対応のページがある。外国人の口座開設実績が豊富で、手続きに慣れている支店が多い。

玉山銀行(E.SUN Bank)

台湾でデジタルバンキングに最も力を入れている銀行のひとつ。モバイルアプリの評価が高く、UIが直感的で使いやすいと評判。

外国人向けの専用ページ(Foreigner Area)を公式サイトに設けており、クレジットカードの申し込みも外国人向けに案内している。英語での情報提供に積極的な印象がある。

國泰世華銀行(Cathay United Bank)

國泰金融控股(Cathay Financial Holdings)傘下で、台湾最大の金融グループのひとつ。台北MRT(地下鉄)の駅に提携ATMが設置されており、通勤・移動中の引き出しに便利。

支店数が多く、住んでいるエリアの近くに見つけやすい。窓口での外国人対応にも比較的慣れている。

台北富邦銀行(Taipei Fubon Bank)

クレジットカードの特典が充実しており、ショッピングや飲食の割引が多い。電子決済との連携にも力を入れている。

ATM手数料無料サービスの条件が比較的ゆるく、日常的な使い勝手が良い。

中華郵政(郵便局)

銀行ではないが、全国に1,300以上の支局があり、ATMの設置数も圧倒的。居留証がなくても口座開設しやすいことで知られており、留学生やワーホリの最初の口座として選ばれることが多い。

ただし、オンラインバンキングの機能は銀行に比べると限定的。海外送金の手続きも銀行よりやや手間がかかる。

銀行選びのポイント

重視する点おすすめ
ATMの多さ・コンビニで引き出し中國信託(セブンイレブン提携)
モバイルアプリの使いやすさ玉山銀行
MRT駅での引き出し國泰世華
居留証なしで開設したい中華郵政(郵便局)
職場指定の銀行があるその銀行一択

職場がある場合は、給与振込先として銀行を指定されることが多い。その場合は選択の余地がないので、指定された銀行で口座を作ることになる。

口座開設の条件と必要書類

口座開設に必要な書類は、滞在資格によって異なる。共通して言えるのは、近年マネーロンダリング対策で審査が厳格化しており、支店や担当者によって対応が異なることがある、という点。

居留証(ARC/APRC)保持者の場合

最もスムーズに開設できるパターン。駐在員、就労ビザ保持者、配偶者ビザ保持者などが該当する。

必要書類:

  • パスポート
  • 居留証(ARC)または永久居留証(APRC)
  • 印鑑(銀行によっては不要。サインで代用可)
  • 初回入金(1,000TWD程度、約4,800円)
  • 日本のマイナンバー(番号の提示が必要。カード原本は不要だが、スマホに写真を保存しておくと便利)

居留証があれば、ほぼ全ての銀行で口座開設が可能。手続きは窓口で30分〜1時間程度。

居留証なし(統一證號で開設する場合)

留学前の準備期間、短期滞在、ワーホリで居留証がまだ届いていない場合などは、「中華民國統一證號基資表」を取得すれば口座開設できる。

統一證號は、台湾における外国人向けの識別番号。日本のマイナンバーに近い位置づけで、銀行口座の開設、携帯電話の契約、各種行政手続きに使う。

統一證號の申請方法:

  • 申請場所: 內政部移民署(各地のサービスステーション)
  • 必要書類: パスポート、申請書(移民署の窓口またはWebサイトからダウンロード可能)
  • 費用: 無料
  • 所要時間: 即日発行(混雑状況による)

統一證號を取得したら、以下の書類で銀行口座を開設できる。

必要書類:

  • パスポート
  • 中華民國統一證號基資表
  • 台湾国内の住所を証明できるもの(賃貸契約書、水道・ガスの請求書など)
  • 台湾の電話番号
  • 日本のマイナンバー番号
  • 初回入金(1,000TWD程度)

ただし、統一證號での口座開設は全ての銀行で対応しているわけではない。中華郵政(郵便局)は比較的対応してくれることが多いが、民間銀行では断られるケースもある。事前に電話で確認するか、複数の支店を回る覚悟はしておいた方がいい。

ワーホリ・留学生の場合

ワーキングホリデーや留学で台湾に来た場合、口座開設の流れは以下のようになる。

パターン1: 居留証が先に取れる場合 → 居留証+パスポートで通常通り開設。最もスムーズ。

パターン2: 居留証がまだない場合 → 統一證號を取得して開設。郵便局が無難。

パターン3: アルバイト先から銀行を指定される場合 → 雇用主が給与振込先として特定の銀行を指定することが多い。その場合は雇用契約書を持参すると開設がスムーズに進むことがある。

窓口では「口座の利用目的」を聞かれる。「給与受取」「生活費の管理」「学費の支払い」など、具体的に答えられるようにしておくとよい。

口座の種類

台湾の銀行口座は、大きく分けて以下の3種類。

活期存款(普通預金口座)

日本の普通預金に相当する。給与受取、公共料金の引き落とし、日常の入出金に使う基本の口座。ATMカード(金融卡)が発行され、コンビニや銀行ATMで引き出しができる。

金利はほぼゼロに近い(年0.2%前後)。生活用のメイン口座として開設するのはこれ。

定期存款(定期預金口座)

一定期間引き出せない代わりに、普通預金より高い金利がつく。1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年などの期間を選択する。

まとまった資金を台湾で運用する場合に検討する口座。途中解約すると金利が下がるので注意。

外幣帳戶(外貨預金口座)

日本円、米ドル、ユーロなどの外貨を台湾の銀行で保有するための口座。外貨での入出金、外貨建ての送金に使う。

日本からの送金を日本円のまま受け取りたい場合や、為替タイミングを見てTWDに両替したい場合に便利。開設には別途手続きが必要な銀行もある。

手数料

台湾の銀行手数料は、日本と比べるとかなり安い。

ATM手数料

条件手数料
自行ATM(口座のある銀行のATM)無料
他行ATM5TWD(約24円)
コンビニATM(提携外)20〜50TWD(約96〜240円)

自分が口座を持っている銀行のATMなら手数料はかからない。他行ATMでも5TWD(約24円)と非常に安い。日本の110円〜330円と比べると破格。

振込手数料

方法手数料
同行宛(オンラインバンキング)無料の場合が多い
他行宛(オンラインバンキング)10〜15TWD(約48〜72円)
他行宛(通帳での窓口振込)30TWD(約144円)
他行宛(現金での窓口振込)40TWD(約192円)

オンラインバンキングを使えば、他行宛でも10〜15TWD程度。口座残高に応じて無料回数が付与される銀行もある。

口座維持手数料

台湾の一般的な銀行口座には、口座維持手数料(管理費)がかからない。日本と同じ感覚で、口座を持っているだけでお金が引かれることはない。

ただし、一定期間取引がないと「休眠口座」扱いになり、ATMの利用が制限されることがある。年に数回でも入出金があれば問題ない。

海外送金——台湾と日本の間でお金を動かす

台湾で生活していると、日本からの仕送りを受け取ったり、逆に台湾から日本へ送金したりする場面が出てくる。

銀行経由の海外送金

台湾の銀行窓口から日本へ送金する場合、手数料は送金額によって異なるが、一般的に以下の費用がかかる。

費目金額目安
送金手数料300〜800TWD(約1,440〜3,840円)
電信費(SWIFT手数料)200〜300TWD(約960〜1,440円)
中継銀行手数料(受取側で差し引かれる場合あり)数百〜数千円

合計すると、1回の送金で3,000〜6,000円程度のコストがかかるイメージ。着金までは2〜5営業日。

銀行窓口での送金は、パスポートと口座の通帳(または金融卡)が必要。中国語での書類記入が求められることが多い。

海外送金サービスの活用

少額〜中額の送金であれば、Wiseなどの海外送金サービスを使う方が手数料は安くなるケースが多い。

銀行送金との主な違いは以下の通り。

  • 手数料が送金額の0.5〜1%程度(少額なら数百円で済むことも)
  • 為替レートが透明(銀行のように独自レートに上乗せされない)
  • オンラインで完結し、着金も早い(多くの場合1〜2営業日)
  • 中継銀行手数料がかからない

日本→台湾、台湾→日本のどちらの方向でも利用できる。台湾の銀行口座への入金も、日本の銀行口座への送金も対応している。

送金時の注意点

台湾には外貨規制がある。個人が1回に送金できる外貨の上限は、原則として50万米ドル相当額。年間の累計にも上限がある。一般的な生活費の送金であれば気にする必要はないが、不動産購入などの大型送金の場合は事前に銀行に確認を。

また、送金目的の申告が必要な場合がある。「生活費」「学費」「家賃」など、具体的な目的を伝えられるようにしておくとスムーズ。

モバイルバンキングと電子決済

台湾のキャッシュレス化は急速に進んでおり、政府は2025年までにキャッシュレス決済比率90%を目標に掲げていた。実際、台北市内のコンビニ、飲食店、交通機関のほとんどでキャッシュレス決済が使える。

銀行のモバイルアプリ

主要銀行はいずれもモバイルバンキングアプリを提供している。残高確認、振込、取引履歴の確認はアプリから可能。

玉山銀行、中國信託、國泰世華、台北富邦の4行はいずれもアプリの評価が高く、UIも比較的わかりやすい。ただし、アプリの言語は基本的に中国語(繁体字)。英語対応は一部の機能に限られることが多い。

主な電子決済サービス

台湾で使われている主要な電子決済は以下の通り。

LINE Pay(台湾版) 台湾で最も普及しているモバイル決済のひとつ。台湾の銀行口座またはクレジットカードと紐づけて使う。コンビニ、飲食店、交通機関など利用可能店舗が非常に多い。

注意点として、日本版のLINE Payとは別サービス。日本のLINE Payアプリでは台湾の店舗で決済できない。台湾のLINE Payを使うには、台湾の電話番号でLINEアカウントを作り、台湾の銀行口座またはクレジットカードを登録する必要がある。

街口支付(JKOPay) 台湾発の電子決済アプリで、取引額ベースでは台湾トップクラスのシェアを持つ。銀行口座から直接チャージできるため、クレジットカードがなくても使える。

ただし、登録には台湾の身分証番号(國民身分證字號)が必要なため、外国人は利用できない場合がある。居留証番号で登録できるかどうかは、アプリのバージョンや時期によって変わるので、最新の対応状況を確認する必要がある。

悠遊カード(EasyCard)・一卡通(iPASS) 交通系ICカード。MRT、バス、コンビニ、一部の飲食店で使える。銀行口座と紐づけたオートチャージ設定も可能。スマホアプリ版(悠遊付)もある。

外国人でも購入・利用可能で、最も手軽なキャッシュレス手段。モバイルバンキングに抵抗がある場合は、まず悠遊カードから始めるのがいい。

Apple Pay / Google Pay 台湾の銀行が発行したクレジットカード・デビットカードを登録すれば利用可能。対応店舗も増えている。

外国人が使いやすい電子決済

現実的には、以下の組み合わせが使いやすい。

  1. 悠遊カード(交通+コンビニ)——口座開設前から使える
  2. LINE Pay(台湾版)(飲食店・ショッピング)——銀行口座開設後に設定
  3. Apple Pay / Google Pay——台湾発行のカードがあれば

街口支付は外国人の登録にハードルがあるため、最初は無理に使わなくても生活には困らない。

注意点

マイナンバーの提出(CRS対応)

台湾はCRS(共通報告基準)に参加しており、日本の国税庁との間で金融口座情報の自動交換が行われている。

口座開設時に「納税者番号」の提出を求められるが、日本人の場合はマイナンバーがこれに該当する。マイナンバーカードの原本を持参する必要はないが、番号は確実に控えておくこと。スマホに写真を保存しておくのが一番手軽。

これは脱税対策の国際的な仕組みなので、口座残高や利息の情報が日本の税務当局に共有される可能性がある。台湾で大きな資産を保有する場合は、日本側の確定申告(国外財産調書等)も意識しておく必要がある。

口座開設の審査厳格化

台湾全体で、マネーロンダリング対策として口座開設の審査が厳しくなっている。特に外国人に対しては、口座の利用目的を詳しく聞かれることがある。

「なぜ台湾で口座が必要なのか」「どのくらいの期間滞在するのか」「収入源は何か」——こうした質問に中国語(または英語)で答えられるよう準備しておくと安心。

支店によっては断られることもある。その場合は別の支店を試すか、別の銀行に行くという選択肢もある。1軒目で断られても諦めなくて大丈夫。

印鑑について

台湾の銀行では印鑑を使う文化がある。ただし、外国人の場合はサイン(署名)で代用できる銀行がほとんど。

印鑑を作る場合は、台湾の文房具店やはんこ屋で数百TWDで作れる。フルネームの漢字表記が入った印鑑を求められることがあるので、自分の名前の漢字表記を決めておくとスムーズ。

中国語の壁

銀行の窓口は基本的に中国語対応。英語が通じる支店もあるが、期待しすぎない方がいい。

信義区や市政府エリアなど、外国人が多いエリアの支店は英語対応できるスタッフがいる可能性が高い。台湾人の友人や同僚に付き添ってもらうのが最も確実な方法。

口座開設の申込書は中国語で記入する必要がある。住所や氏名の中国語表記は事前に確認しておくこと。

帰国時の口座解約

台湾を離れる際は、口座の解約を忘れずに。放置すると休眠口座になり、再開手続きが面倒になる。

解約はパスポートと金融卡(ATMカード)を持って窓口へ。残高は現金で受け取るか、日本の口座に送金する。解約自体は即日完了する。

まとめ——口座開設の手順チェックリスト

台湾での口座開設は、書類さえ揃えれば特別難しい手続きではない。以下の順番で進めるとスムーズ。

  1. 居留証(ARC)の取得(就労・留学・配偶者ビザの場合)。居留証がない場合は移民署で統一證號を取得する
  2. マイナンバーの番号を控える(スマホに写真保存が便利)
  3. 台湾の電話番号を取得する(SIMカードの契約。口座開設に必要)
  4. 銀行を選ぶ(職場指定がなければ、ATMの利便性で選ぶのが実用的)
  5. 必要書類を持って窓口へ(パスポート、居留証 or 統一證號、初回入金1,000TWD程度)
  6. 金融卡(ATMカード)を受け取り、オンラインバンキングを設定する

職場が決まっている場合は、勤務先に「どの銀行で口座を作ればいいか」を確認してから動くのが無駄がない。


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