台湾の言語事情——中国語・英語・台湾語、外国人はどこまで必要か
台湾で暮らすとき、中国語はどれくらい必要か。英語だけで生活できるか。台湾語は?日本人在住者の実態を言語別に整理します。
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「台湾は英語が通じやすい」というイメージがある。半分正しい。台北の観光エリア、MRTの案内、大手チェーンの店員——これらは英語でなんとかなることが多い。しかし「英語だけで生活できるか」となると、正直「ギリギリ、でも不便」が正直なところだ。
中国語(繁体字)は必要か
長期在住を目指すなら、中国語の基礎は身に付けた方が生活の質が格段に上がる。
台湾で使われるのは**繁体字(Traditional Chinese)で、中国本土の簡体字とは字形が異なる。発音は普通話(北京語・マンダリン)**が標準で、日常会話では繁体字中国語を読み・書きできればほとんどの場面に対応できる。
基礎的な会話力(HSK3〜4級相当)があると、以下が自力でできるようになる:
- 市場・夜市でのやり取り(「これいくらですか」「辛くしないでください」)
- クリニック受診時のやり取り
- 不動産・役所・銀行の手続き
- タクシー・スクーターでの行先伝達
「中国語ゼロでもなんとかなっている」という在住日本人もいるが、それはコンビニ・観光地・日本人コミュニティの中で生活を完結させているケースが多い。
台湾の英語力
英語力は世代差が大きい。30代以下の都市部の若者は、英語で基本的なコミュニケーションが取れる人が増えている。一方で50代以上の地方在住者は英語がほぼ通じないことが多い。
台湾政府は「2030年に英語を準公用語にする」政策を打ち出しているが、現時点での英語普及度はシンガポール・フィリピンには遠く及ばない。外国人がビジネスや日常でどこまで英語で通せるかは、働く業種と関わる人のプロフィールに大きく依存する。
台湾語(台語)とは何か
「台湾語」と呼ばれる言語は、中国語(普通話)とは別の言語で、閩南語(福建語)を台湾で発展させたものだ。台湾の本省人(特に中高年・地方出身者)が日常的に使い、台北の夜市や市場では台湾語飛び交うシーンが普通にある。
外国人が台湾語を習得する必要性は基本的にないが、いくつかの挨拶・フレーズを知っておくと年配の台湾人にとても喜ばれる。
| 台湾語 | 発音(ローマ字) | 意味 |
|---|---|---|
| 你好 | Lí-hó | こんにちは |
| 多謝 | Tō-siā | ありがとう |
| 好吃 | Hó-tsia̍h | おいしい |
| 免驚 | Bián-kiann | 大丈夫、心配しないで |
日本語が通じる場面
台湾では日本語が通じる場面が意外と多い。特に年配の台湾人の中には、日本統治時代に教育を受けた世代の影響を受けた人がおり、片言の日本語を話すことがある。また、若い世代でも日本のアニメ・ドラマ・音楽から日本語を独学している人が一定数いる。
観光地・日本食レストラン・一部の百貨店では日本語対応が可能なスタッフがいるケースもある。
結論としては、「台湾は中国語を学ぶのに最適な環境」だ。普通話が通じる、漢字で意味が推測できる、治安が良く生活しやすい——語学留学の目的地として台湾を選ぶ日本人が多いのは合理的な理由がある。